米のマイアミで開催されたイベント『World of Mouth Basic Training』には行けず、参加者のレポートを待つばかり。そんな折、いちはやくニューヨーク・タイムズがNYで開催されたWOMMA(Word of Mouth Marketing Association)のセッションについて記事を掲載した。
*WOMMAについて私が書いた関連記事はこちら。*
同紙の記事はWOMMに対して批判的だ。
私にはWOMMAのセッションの内実は判断しようがないが、同紙記事に対して早速Publishing2.0がエントリーを載せていた。
ニューヨーク・タイムズが言いたいことも理解できなくはない。たしかにWOMMは突き詰めると、「広告するな」ということかもしれないし、「インフルエンス・マーケティング・マネージャー」のような聞き慣れない肩書きばかりの人たちに囲まれていたら、眉に唾をしたくもなる。
Publishing2.0が述べている点を要約してみよう。
パーソナライズド・メディア(この言葉はケッチャムという老舗PR会社が商標登録している。ほかの表現としてはSwarmメディアとか)〜ブログ、SNS、ポッドキャスティング、モバイル、CGMなどのマイ・メディアの群れ〜の影響力は看過できない。
最近ではIntelliseekやBuzzmetrics、私も以前に取り上げたそのほかのサービスなどを利用すれば、このバズがどのように拡散しているか追跡できる(日本でもいくつかのサービスが登場しつつある)。
アップルやBMW、プラダなどの高感度イメージを演出する企業はビジュアルを主軸にしたプロモーションを行い、映像を喚起したブランディングを展開してきた。しかし、それはGoogleが展開するテキスト広告には不似合いだ。
だからと言って多くの企業がWOMMに取り組むことは、それほど突飛なことではないだろう。Publishing2.0の意見には、私も同意である。
Brand advertising is like the PR exec that continuously “seeds the conversation” with well-crafted imagines. You can’t control the conversation, but you can do your best to manage your appearance.
いずれにせよ、広告の効果測定というものが業界慣習として当たり前となった時点で広告へのROI(投資効果)はわかるよ、というのが締めくくりである。
私は、すでに紙メディアや電波はブランディング、そしてそれ以外の直接的な売り込みはネットという棲み分けに落着しつつあるのではないか、と思っている。
そして、WOMMについては旧来メディアが謳うところの「イメージ戦略」(自分が見せたい自分に見せる戦略)とあまり変わらないと思うので、それが胡散臭いのであれば、旧来メディアも同様に胡散臭かろう。
ニューヨーク・タイムズの指摘(というか揶揄に近いが)は、逆説的である。
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