先日の「ほぼ非公開講義」にお越しいただいた皆さま、ありがとうございました。あとは本にするだけですので(これが大変!)、準備ができた際に告知いたします。なお、当日は「企業が行うメディア・マーケティング」という趣旨の講演でした。実況は有志により、ハッシュタグ #newgenpr でTweetされておりますので、そちらをご参照くださいませ。
さて、たまには初心者向けの話も書いてほしい、というリクエストをいただくことも多く、今回はEcounsultancy.comの「コミュニティ運営の黄金則」という、とてもわかりやすい記事について私なりの解説も交えて紹介します。
→ ソース:Econsultancy.com
1)具体的なテーマを設けよ
当然ながら、何のためにそのコミュニティを運営しているのか主題を明確にする必要があります。「目的」と「誰に対して」のキャンペーンなのかを明快にした上で、アジェンダを設定しましょう。
2)常にベータ版
最初から完成されたものをお仕着せることと対極にあるのが、ソーシャルメディアです。よって、β版のうちから多くの潜在的なユーザーを招いて意見を求めましょう。
そのコミュニティの主題に関するアイデアもさることながら、導入したシステムの使い勝手や機能面についてもユーザーのフィードバックを取り入れ、常に改修していくように心がけたいものです。
ちなみに記事では、「あなたがあなたのユーザーよりもよく知っていると決めつけるな」と戒めています。
3)オープンであれ
コミュニティにとってコンテンツはとても重要です。そして、有料なコンテンツを無料で付与することが基礎ですが、特別なコンテンツをインセンティブとして、特別会員への登録を促すような場面も出てく
るでしょう。
しかし、最初から有料課金制にしてしまうことや、複雑な登録制を設けることは避けましょう。
忘れてはならいないことは、そのコンテンツを呼び水とし、更なるアイデアやそのアイデアがコミュニティ外に広まり、より多くのユーザーの参加を促していくことです。
4)マイクロマネージ
スパムやクロスポスト(あちこちに同じ内容の投稿が行われること)、そして場違いの議論などは取り除く必要がありますが、コメントを編集したり、削除しすぎるのは間違っています。
重要なのは言葉や主題についての明快なポリシーであり、適切なモデレーションですね。この場合、そういったモデレーターを起用すべきだとありますが、このあたりは勘どころが重要なので、経験者、また
は自身がユーザーの気持ちを理解できるモデレーターを探すことになるでしょう。
5)正しい人をかみ合わせよ
そのコミュニティを立ち上げる前に、運営者の主題に沿ったインフルエンサー(影響力をもつ人)などをコミットさせることが重要です。
いざ、ローンチしても閑古鳥が鳴いているという事態は避けたいところです。
耳年増的な宣伝/広報担当者ほどその傾向が強いのですが、コミュニティは自動的に立ち上がるもので、勝手に自社を宣伝してくれるものだと思い込んでいることがままあります。
本来はそのコミュニティの存在を広報すべきですが、どうしても部門間の覇権争いなどが勃発し(苦笑)、ひっそりとローンチするという事態がままあります。
また、無理なスケジューリングによる性急なローンチは、インフルエンサーをキャスティングするといった準備を妨げます。本来、コミュニティ運営は時間がかかるもので、打ち出の小槌ではありません。
結果を出すためには、まず最低限の時間と労力が必要だということを運営者(企業)は理解する必要があるでしょう。
6)ユーザーに期待しない
これも5と同様です。立ち上げたら、自動的にコミュニティが活性化するわけではなく、担当者自身やチームのメンバーがだれよりも積極的に関わるべきです。
ですので、常にユーザーからの質問には答えてあげたり、新しい意見や議論を用意するなど、毎日会話に加わりましょう。
実はわたし自身も某社の新規サービスの立上げに参加したとき、一介のユーザーとして、ユーザー同士の交流を促したり、使い方が分からず困っているユーザーを発見したら、FAQなどを紹介するなど積極関
与した経験があります。
特にユーザーが育つまでは、パーティーと同じように招待客同士の交流を促すべく、関係者が積極的に会話を育む必要があります。
7)言葉を広めよ
定番ですが、ソーシャルブックーマーク(日本だとはてなブックマーク等)へのリンクやユーザーが自身のブログやツィッターに書き込めるような導線を用意しましょう。また、投票機能なども用意し、参画
を促したいものです。
以上、「基礎の基礎」でした。
あわせて、以下の記事も何かのお役に立てるかもしれません。古い記事ですが、意外と今もこの話が通用してしまうのは、つまり、それが「会話」だからです。
→ ブログ・キャンペーンの失敗から何を学ぶか?
コメント