私としては会社の宣伝にもなるし、記事などで取り上げていただくのはうれしいのだが、昨日にアップロードされた「Enterprize Watch」を読んで、「これはちょっと……」とおもっているので、ひと言。いや、ふた言くらいか。
関係者の方から、アップした旨のメールをいただいたので、その返信に修正のお願いを出したが、「ニュース」なので適わないとのこと。う~ん、ニュースなら余計に腑に落ちない。
まず、対談だとおもっていた。
ゲラ確認はしていない。要求しなかった私が悪いが、対談の場合、インタビューイが語ったことの意図をインタビュアーが正確に理解することは、それが人様の事業や思想となるとバッチリと表現することが、ほぼ不可能に近いし、専門領域になるほど誤謬が発生しやすい。
私も現役時代から数え切れないほどの人たちにインタビューしているが、自分の言葉が正鵠を得ることはまずないし、こちらが勘違いしている場合もあるので、原稿確認はしてもらってきた。
また、それが調査報道であればテレコから起こした核心部分について、口語として文意が伝わらない点は、文語に近づけ文法上の欠陥を補うなど、文意をそのままに日本語を整え、取材相手にゲラ確認せずに載せる。
しかし、今回、これがニュース(=報道)なのかどうなのか、私にはわからないし、報道であるのならもっと正確を期してほしいので、対談形式がもつそれ特有のあいまいさが混ざりこんでしまっている。
「ニュースなので修正はありえない」という金科条だけが形骸化していていたら嫌だな、とおもう次第で、マウスをとらせていただいた(後述するが、ニュースなのに発言していない趣旨のことは挿入されている)。
当該記事において、文脈はそれなりに「編集」されているし、対談相手の小川さんの喋りも当日にはない部分が文意を補うかたちや、インタビューを成立させるべく改変されている。それは文脈を改竄しているわけではないので、ひとつの「編集」だとおもうのだ。
しかし、私の発言箇所は、当日に編集者の方がICレコーダーを回していたかとはおもうけれど、喋ったことそのまま、というわけではないし、それなりの「編集」はされている。
しかし、まず第一に日本語としてみ完全であることに編集者として、「直さねば」と本能のようにおもった次第。この文では私の意図が伝わりづらい。そこで、修正(加筆)依頼をしたが前記の理由で退けられたので、仕方ないのでこのブログで補記する。
語られていた内容は大筋において間違ってはいない。そして、私の修正は文意を翻すようなものではなく、むしろ強調と正確さを期したいと考えてのことだ。
グーグル・キャッシュに残る以上、まずなんとかしたいのである。
完全に文語にする必要はないが、口語そのままで、しかもなにを言っているのか意味不明なのはよくない。これは私の頭が相当弱いようにもみえる。いや、弱いです。はっきり言って。
しかし、読者のことを考えたとき、いかがなものかとおもうし、インタビュアーが加筆・修正できないニュースなのなら、まずそこをなんとかしようよ、とおもう(余計なおせっかいですね、はい)。もちろん、編集権は媒体側にあるので、どう料理をしようが自由だ。しかし、ニュースなのなら、正確さを期すべきは当然として、多数の人たちに伝わる努力は必要だとおもう。
ニュースなのでゲラ確認もしなければ、修正依頼も受け付けない、のは大いに結構。ならば、私の発言内にある「小川さんもおっしゃっていましたが、Web 2.0とLOHASには言葉の使い方に近いところがあるとおもっています。 」と、私が言っていない言葉を盛り込むのはいかがなものかとおもうのだ。
私は小川さんが従前そういう主張をしていることを知っているし、それについて「はてな」の社員とうちの元社員が結婚をしたので、その意味で小川さんの主張が理解できたという冗談を結婚式でスピーチしたが業界人にしかウケなかった、という長い前フリを当日したが、それが即、小川さんが語っていた趣意に同調という会話ではなかったはずだ。
まあ、どうでもいいことだが(苦笑)。
でも、この辺はひとつの文脈でコピペされ、私が小川さんの主張にいきなり同調しているようだが、これは事実ではない。しかし、「編集」の範疇として私は受け入れようと考えていた。
ここでは読者サービスのために、私自身による掲載されたインタビュー記事の「加筆・補強」を掲載する。
文脈を変える意図はないが、もう少し読みやすく、また私が考えていることをピンポイントで理解していただきたいという意図がそのほとんどだ。そして、私は読者のために、なるべく情報量を増やすようにしている。自分が喋ったときに、喋り忘れていたことを補足したい。
ちなみに、対談記事の場合、人格権と著作権は私も半分を有するはずだが、百歩譲ってニュースということで編集権はもとより著作権を放棄したうえで、残る人格権の部分で修正を期待したのではあるが。
以下、私からの関係者への修正依頼をコピペしておく。
*日本語を校閲していたら、ほとんど全域に及んでしまうので、必要最低限の箇所しか加筆するつもりはなかった(が、そのボリューム量の多さから必要最低限の域を超えてみえるかもしれない)。
しかし、断じて必要最低限の箇所なのである。しかも、前文を尊重して加筆したので、日本語としてはまだすっきりしていない(そういう場合は、ぜんぶ書き直したほうが早いのだが、私としては対談相手とまとめた人を尊重したつもり)。赤色が記事に書かれている私の発言、青色が私の修正バージョン*
最初の発言:2L
インターネットの商用利用、政治や経済に対するインパク
トを伝える非常にいい雑誌で、これを日本の読者にも届け
ようと、日本版『ワイアード』を発刊したのが94年の11
月でした。
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インターネットの商用利用が開始された直後、政治や経済、
文化などにインターネットがどのようなインパクトを与え
るかを伝えた雑誌で、これを日本の読者にも届けようと、
日本版『ワイアード』を発刊したのが94年の11月でした。
発言2箇所め:4L
例えば、『CATALOGAR(カタロガー) 』というオンライ
ンショッピングサイトは書店やコンビニで発売されている
ライフスタイル誌「CATALOGER」と連動していて、Webと
出版をうまく結びつけたビジネスを行っています。
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例えば、『CATALOGAR(カタロガー) 』というオンライ
ンショッピングサイトはPC以外に携帯版もあり、書店や
コンビニで発売されているライフスタイル誌「CATALOGER」
と完全連動しています。
発言5箇所め:5L
覚えるスキルはその文脈での完成度がいるにしても、放
送局でも経営でも関係がないわけで、どの分野でもやれ
るとおもっています。
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覚えるスキルとしては、そのメディア内での完成度を高
める作業が必要になりますが、基本的には経営も現場も
すべて編集という概念が欠かせないため、コンテンツに
かかわる分野なら、どの分野でもやっていけるとおもっ
ています。
発言7箇所目:2L
Yahoo!がデパートだとして、彼らが価格を決めていろ
いろな商品を集めているわけですけど、われわれは専門
店を集めてはみるものの、一カ所に集めるわけではない
んですね。つまりはCGM(コンシューマー・ジェネレイ
テッド・メディア)的なことをやろうと考えています。
それが機械的にアグリゲートしていくもの、あるいはプ
ロが編集していくもの、などのスタイルがありますが、
いずれにしても専門店をそれぞれに立ち上げていくスタ
イルを考えていて、それが Web 2.0的であるかともお
もいます。
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Yahoo!がデパートだとして、彼らが人通りの多い場所
でいろいろな商品や店子を集めているとしましょう。
それに対し、われわれは専門店をあちこちに分散してつ
くっています。それはCGM(コンシューマー・ジェネレ
イテッド・メディア)と呼ばれるもので、今後多く立ち
上げようかと考えています。
コンテンツについては機械的にアグリゲートしていくも
の、あるいはプロが編集していくもの、などいくつかの
スタイルがありますが、いずれにしてもニッチな専門店
を分散させていくので、万人に向けたポータルを目指す
必要はありません。Web 2.0のひとつの概念である非中
心化をコンテンツの領域で展開したいとおもいます。
発言9箇所:3L
技術的に輝いているところはいくつもあるけど、Web
2.0とみんなが騒いでいる間に、Webとは関係ない、
Web1.0未満の業界でもシステマティックなビジネスモ
デルをやっているところが多いわけで、それに注目し
ていきたいとわれわれは考えています。なまじWeb 1.0
の時代にフィットしなかったおかげで、2.0に一気
にジャンプアップできるところがあるはずなんです。
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技術的に輝いているところはいくつもあるけど、Web
2.0とみんなが騒いでいる間に、Webとは関係ない、
Web1.0未満の業界において、いかにそれをシステマテ
ィックに繋いでいくかに、私は注目しています。
なまじWeb1.0にすらフィットしてなかった業態こそね
らい目であり、それがネットを活用するときこそ、一気
に2.0的なものへと変容していくのだとおもいます。
AJAXやAPIを用いるということは、Web2.0における
「文法」でしかないと考えます。ビジネスにおいてたい
せつなことは、文脈の発見です。
発言10箇所
セコイヤは確実なところしか張らないですから、
YouTubeは大きくなるかもしれないですね。
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YouTubeはGoogleにバイアウトするかもしれな
いですね(笑)。 セコイヤは確実なところしか張らないですから、
発言11箇所
3つの柱として、Webサイトの構築ソリューション
とオリジナルメディアの提供、および広告モデル
を考えています。
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3つの柱として、Webサイトの構築やそれに伴うコ
ンテンツ提供とコミュニティ運営支援のソリュー
ション業務とオリジナルメディアの提供、および
広告モデルを
発言13箇所
私は表には出てこないで大きい企業にあこがれるん
です(笑)。私はコンテンツ屋さんですから、コア
の部分では。
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私は表には出てこない大きい企業にあこがれるんで
す(笑)。私は編集者ですし、もともと編集という
仕事はサービスの黒子ですから。
発言15箇所
使命感や正義感、社会の公器という気分が強すぎる
んじゃないですかね、日本のマスメディアは。ビジ
ネスを考えるような感じではなくて。いいところで
ありますけど。
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日本のマスメディアは、その実体はともかく、使命感
や正義感、社会の公器という気分が強すぎるんじゃな
いですかね。
本当にこれからのジャーナリズムを目指すのなら、
問題はシンプルです。いまの規模を捨てればいい。
しかし、いまの規模、つまり給与や身分が必要な人が
多いので大変なのでしょう。後者を優先するのなら、
組織を維持するためのビジネスをほかの民間企業の
ように一生懸命考えるしかない。しかし、それについ
ては社会の公器という建前上、おいそれと取り組めな
い。奇妙な自家中毒に陥っています。
ネットへの取り組みというのは、保守主義とは縁遠い
スクラップ・アンド・ビルドですから、それをやるに
は老いているとしか言いようがありません。
同3Lめ
Feedのシンジケーションが追認されるんではないですかね。
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Feedのシンジケーションが追認されるんではないですかね。
サイトレス・フィード(ブログやサイトをもたないフィー
ド)の量が増えているのですが、今後はIR・PRフィードは
増えるとおもいますよ。
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