17日、Strategicのトラックでは、マイクロソフトのGeorge Moromisato氏によるLive Clipboardのプレゼンテーションが行われた。
LiveClipboadについては、私が以前に本ブログで触れているので、そちらを参照していただきたい。
今回、Moromisato氏はLive ClipboadがvCardやiCalendarだけでなく、Frickrの写真などマイクロコンテンツを含めて扱い、Web to Web、そしてWeb to Clientを実現すると述べていた。
そして、RSS+SSE=Two-Way RSSであるとも。
会場から、「いつマイクロソフトはLive Clipboadを始めるのか?」という質問が飛んでいたが、Moromisato氏は、「すでに公開されている規格なので、皆が使えばオープンになる」と答えた。
二日間に渡ったSyndicateカンファレンス2006 NYは、Linux Journal編集長であるDoc Searls氏の基調講演で締め括られた。
Searls氏は、これまでのWebに対する概念から、現在のWeb=「Live Web」を提示し、「だれもWebに経験(エクスペリエンス)など求めていない」と語る。
そして、「コンテンツ、アクセス」という言葉はLive Webを理解する際に誤解を招くものだとも。
Searls氏は、「消費者が求めていることは、『探して』『買う』こと」であるとも。
消費者はハードディスク・ドライブの速度と同じくらいの反応をネットに求めている(これはアクセス・スピードのことではなく、結果を知りたい場合などの反応速度だ)。
また、ブログの力は、redistributed(再流通)にあらず、re-originated(再考案・再発明)にあると語った。最初は小さくとも、雪だるまのように転がるうちに巨大化していく、それがブログであるということだ。紙媒体は「完成された仕事」であり、ブログは「Living and snowball」とも。
Live Webでは、バリュー・チェーンは、バリュー・コンスタレーション(組み合わせ)に置き換えられるといい、電子メール・マーケティングは死語であり、閉じた規格は滅び去る運命にあるというのが氏の主張だ。
ほかにも、いかにユーザーの注意を惹くかというアテンションと意図された経済(インテンション・エコノミー)がますます重要になる等々、示唆に富んだ講演だった。
さて、今回、ニューヨークで開催されたSyndicateの印象は、どうだっただろうか。
どうも、今回は昨年私が参加したサンフランシスコでのカンファレンスよりも抽象的な話題や議論が多く、そこに新たな提案や発見が、あまり見出せなかった気がする。
前回はRSSフィードのメジャーメントが勃興していた時期であり、今回はアグリゲーターやビデオについての話が加わったが、前回から間が置かれていないせいか、ややテーマが散漫なように感じられた。
しかし、テクノロジーだけに依拠せず、マーケティングやPR、そしてメディアについて語るSyndicateカンファレンスは依然として貴重であり、質の高いスピーカーとブロガーたちを集めるその力は期待が募る。
次回は、10月にサンフランシスコで開催予定である。
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