前回に続いて、Podcast and Portable Media Expo 2006について解説したい。今回はポッドキャストでビジネスを行うための支援サービスなどについてフィーチャーしたい。
その前に、ビデオレポート2に収録されているPodcastSpot.comについて紹介しておこう。
こちらのサービスはYouTubeのポッドキャスト版のような感じのファイル共有型ホスト。カナダの企業Paramagnus Developmentsが提供している。
似たようなサービスではblip.tvが今回、出展していた。こちらもファイル共有型のサービスだ。
前回のエントリーでも紹介したPopcurrent.comとは別のアプローチで、無数の音声・動画ファイルを検索しやすくしている。
会場内には日本からもブース出展を行い、JAPAN PODCASTとして気炎を吐いていた株式会社ボイスバンク。
同社の新しいアグリゲーター「Alligator 2.0」、またPDAでポッドキャストを取得・再生するシステムは現地の人々にどのように映っただろうか。
換金化を求めて……
会場内で気になったブースのひとつに、PODTRACがある。こちらはポッドキャスターと広告主をマッチングさせるサービス。同種のサービスとして、Kiptronicも会場にブースを出展していた。
そして、このようなニッチなコンテンツ・ホルダーたちのネットワークをブティック・ネットワークと呼称し、これに出稿しようという広告主との間を取りもとうと考えているのがBackBeatMediaだ。
もうひとつ、広告だけではなく、直接コンテンツからお金を徴収していく課金モデルをバックアップするサービスが目に付いた。
それはSubscribeCastだ。
独自の特許をもつ技術によって、RSSフィードを使ってコンテンツに課金することができるという。こちらのサービスの競合としてAudibleのWordcastが存在する。
一方、Bitpassはマイクロペインメントの決済をコンテンツ・ホルダーにかわって代行するユニークなビジネスモデルを掲げている。
そして、コンテンツ・ホルダーに対してOpenupwebが測定と解析、そしてSEOを支援。企業向けにポッドキャストのコンテンツ製作からSEOまで行っている。
総論として、ポッドキャストの換金化はサービス提供者が優勢で、ビジネスとして成功している個別コンテンツ・ホルダーは、まだごく一部という感がある。
もちろん、登場してまだ間もないムーブメントなので予断を許さないが、帰国途中、ある企業の出展者と話をしていたら、米国のポッドキャスターの人口はこれからも続伸するだろうと語っていた。
このまま増え続けると、ロングテールなビジネス・モデルも成立するはずなので、現在はどの企業もいかにアグリゲートのデファクトになるのか、しのぎを削っているというのが現状ではないだろうか。当分、乱世と我慢の状態が続きそうだ。
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