Podcast and Portable Media Expo 06の初日。
前のエントリーにアップしたビデオに収録されているものについても説明を加えたい。
ちなみに前のエントリーと同一のファイルをmp4に変換したものをアップしておくので、どうぞ(iPodでの取り込みが可能)。
初日の基調講演のスピーカーは二人。
一人はレオ・ラポルテ(Leo Laporte)氏。この人はカナダのブロードキャスト番組G4Teck TV、AMラジオ・KFIの番組でホストなどを務めるテクノロジー系に強いジャーナリスト(というか、番組ホスト)のようだ。
レオ・ラポルテ氏
ラポルテ氏はポッドキャスターとしても著名なので、当然喋りがうまく、会場をわかせていた。
その前に述べておくと、このExpoは私がいつも参加しているようなWeb系の類とは毛色が違っていたため、私自身、最初は戸惑った(私が参加しているのは、ご存知のように眉間に皺を寄せて聞くような類のものが多い)。
今回のエキスポはどちらかというと、全米のポッドキャスターの祭典という感じで、最新のサービスや思想、ビジネスへのヒントというものよりは、「一緒に盛り上げよう!」というノリが強い印象だ。これについては05年に参加した人も同じ感想をブログに記していたと記憶する。
なので、ラポルテ氏のアジェンダを含む基調講演は、まったくシリアスなものではなく、ポッドキャストによっていかに聴衆とコミュニケーションがとれたか、またいかにマスメディアと違って、ポッドキャストは等身大のすばらしいメディアかという話が中心だった。
ラポルテ氏の提案として、ポッドキャストという名前はあまりにもアップルのiPodと近しすぎるため、ネットキャストというふうに変更できないかというものだ。MSのZuneも登場するが、ポッドキャストはそれら企業に依存するものではなく、個人から発信されるメディアなのだ、と。
同氏は、「もっと我々はよくできるはずだ。こんなにもパワフルなメディアを手にして、とても興奮すべき時代にいる。人々が求めるものを与えていこうではないか」と話していた。
ロン・ムーア氏
もう一人の講演者、ロン・ムーア氏はSFテレビドラマ、『バトルスター・ギャラクティカ』のプロデューサーだ。
私の世代では『宇宙空母ギャラクティカ』の名前にピンとくる人が多いかもしれない。同氏はあの作品のリメイクを手がけ、好評を博している。
ムーア氏は自分がポッドキャストを始めたとき、mp3などのテクノロジーに関してまったく無知だったことや、ポッドキャストの先駆者と呼ばれることへの違和感を冗談混じりに語った。また、彼がポッドキャストを通じてドラマのエピソードを語ることで、リスナーの反応をリアルに次回へ反映できると語っていた……と思う(正直いって、私レベルの読解力ではムーア氏の冗談やその話の流れをつかむのが困難だった。周囲には大受けだったが、こちらは撃沈である)。
ただ、両氏ともに言えることだが、ポッドキャストは等身大のコミュニケーションであり、そこに一方的な押しつけや、どんな立場であれ高慢な態度で臨んでいないという点は共通している。つまり、ポッドキャストにおいては、それは自分の考えの表明だけではなく、リスナーたちとのコミュニティを構築していく過程が重要だともいえる。
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