なんだかニューヨークタイムズの話ばかりで恐縮である(笑)。しかし、米を代表するブランデッド・ニュースペーパーなので、その一挙一足は、他の新聞の動向を占ううえでも興味深い。
ニューヨークタイムズの発行人であるアーサー・サルツバーグ・ジュニア氏がスタッフに宛てた電子メールがTHE NEWYORK OBSERVERに掲載されている。
サルツバーグ・ジュニア氏のメールによれば、ニューヨークタイムズは今年の10月6日にレイアウトを変更とのこと。
Beginning Monday, Oct. 6, we will introduce a new layout of the paper by consolidating some sections. Metro will be integrated into the Main News section Monday through Saturday. Business and Sports will be combined into one section Tuesday through Friday. There will be no loss of content for readers.
同紙のメトロ・セクションは1991年から開始したニューヨーク市に限定したニュース・セクションだが、今回のレイアウト変更では、月曜から土曜までの主要ニュースと統合される模様。ほかにも火曜から金曜までのビジネスとスポーツ・セクションが同じ紙面に同居するようだ。なお、変更についてはニューヨーク版のみで全国版は従前のものに近いようだ。
以前にウォールストリートジャーナルの大幅なデザイン変更について書いたが、興味深いのは、ウェブよりも紙のほうが圧縮されて、読みやすさを狙っている点だろう(本音の部分ではコストの削減が大きいと思われる)。
これは、わたしの推論ではあるけれど、今後「リアルメディア」は、行動にあわせたかたちで形状や内容が変化してくるだろう。部数が落ちているとはいえ、美容院や銀行の待合室で読むにはよい、と皮肉まじりで言われている紙媒体だが、今後、そのような場所にもデジタルサイネージが浸透して、次第にリストラされる可能性が高い。
なので、紙はまさに高性能で携行可能なeペーパー登場までの“つなぎ”となる可能性がある。来るその日まで、通勤、旅行など、読まれるシーンにあわせた文脈とコンテンツの設計を考えるべきかもしれない。
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