ゲーム機Wiiに向けて販売されるWiiウェアのなかには、電子コミックが含まれています。Wiiの市場規模を考えると、Wiiをアマゾンのキンドルよろしく電子ブック・リーダーとして看做し、そこにキラータイトルを送り出すというのは、いわば王道路線。
しかし、フタを開けてみると、意外にもプレイヤーの数が少なかったわけですが、ニッチな市場に挑戦したいというプレイヤーは不在なのでしょうか?
電子コミックはゲームの開発に比べると参入障壁は低いと思われますが、実はこのWiiウェア向けに電子コミックを販売するべく、既存出版社が共同で会社まで設立しています。その会社はリブリカという名で、出資社はゲーム開発会社のトーセ、スクウェアエニックスに加えて、講談社、角川書店、小学館、集英社、といった豪華オール・コンテンツメーカー。しかし……
このリブリカ、2008年4月に設立されたのですが、ウェブサイトは開店休業状態。タイトルもまだ揃っていない模様です。船頭多くして船進まず…なのでしょうか?
一方、サン電子が1社でこのWiiウェアによる電子コミック市場において気炎を吐いています。サンソフトブックスというブランドから2つのタイトルを発表。最新作は松本零士氏による、新作「銀のコーシカ」です。
興味深いのは、サンソフトブックの第一弾タイトル『プリンセス・アイ物語』(原作:コートニー・ラヴ/マンガ:鯨堂みさ帆氏/キャラデザイン:矢沢あい氏)といったオリジナル作品で、すでに全世界で多くのファンを抱えているようです。そして、同タイトルはiPhone向けのアプリとしても販売されています。ちなみにサン電子の別ブランドであるサンソフトはiPod向けアプリとして『パズルゲーム上海』を販売。
このタイトルを開発したのは、拙著にも記載したTOKYO POPというベンチャー企業。 Wiiも、iPhoneもプラットフォームはワールドワイドですから、先に日本市場以外も目くばせをしたタイトル開発が必須でしょう。それに比して、キ ラータイトルを多く抱え(ているように見える)、海外を視野に含めた開発も手慣れているはず(に思える)のリブリカは、なぜ沈黙したままなのか謎に包まれ ています。せめてウェブくらいは更新したほうが……。
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