久しぶりに知人と会うと、「いま何やっているの?」と尋ねられることしばし。雑誌編集長としての私しか知らない人たちにとって、私は失業中?
あるいは久しぶりに会った人たちからは「経営者みたい」といわれる。そもそも、33歳のときに起業したので、もう7年も経営に携わっているのだが、印象が薄すぎ……(笑)。なので、改めていまの活動概況や考えていることを記しておこう。
もちろん、「経営」とひと口にいっても、多くの人は経営者がなにをしているのか具体的に把握しているわけではないので、疑問に思うのは仕方ない。
だいぶ前に「話の特集」の矢崎泰久さんほか大先輩たちから、なぜずっと編集長を続けないのか?と問われたことがある。
まず、自分なりのその答えを考えてみた。
- 編集者としての自分は生涯一冊の雑誌を編集し続けるよりも、もっと多くのメディアを編んでみたいと思っている。
- 自分が思いもつかない面白いことを考えている 人間がいたら、その人にメディアをやらせてみたい。そのためにもファイナンスからビジネススキームなどを構築したい。商業編集者である以上、ビジネスも編集意図の範疇である。
- 編集者、エンジニア、 ウェブ・デザイナー、グラフィック・デザイナー、営業、プロデューサー、メディアの経営を目指す人たちをどんどん育てたい。それには、その人たちが若いうちから任せてしまうのが近道だと思う。
- さらに言えば、メディアという職業を選んでいない人たちにも編集者としての可能性を見出している。インフラを提供したい。
編集者は国家資格でもなければ、「ここまでしかやってはいけない」という範囲が定まっているわけではない。今後、編集者という名称は、校閲やデザイン・印刷所への入稿ができる職能者を指すような一義的なものではなくなるだろう。かといって編集という概念はかつてないほど重要になっていく。コンテンツ・ビジネスに関わる場合、 経営者だろうがマーケッターだろうが、まず編集的な視点をもち、プロジェクトに臨むことが肝要だ。
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