先日、ソニーのウォークマンAシリーズのキャンペーンブログ閉鎖の報を受けてエントリーを書いたが、その後アメリカでも同様のケースが起きていたことをFortuneの記事で知る。(Ad Innovatorの織田さんは、日経BPの記事で今年の4月に本件について書いている)
Waxy.orgによる経緯説明では、昨年、Kid Halloweenと
いう若者が自分のブログで「友人がパブリックアクセスTVで録画した」というビデオ3本(いずれもマツダの新車プロモだったらしい)へのリンクを公開した
のが発端らしい。米マツダが行ったバイラル・キャンペーンの一環とみられるが、米マツダは逆に虎の尾を踏んでしまったようだ。
#パブリックアクセスTVは市民参加型のCATV
すぐに、ブロガーたちがビデオはメーカーによるやらせではないかとに見抜き、そのブログは短期間で閉鎖したらしい。
これにより、伝説の広告マンと呼ばれるSteve Hayden氏が語った有名な文句が全米の名だたるブログで引用された。
"If you fudge or lie on a blog, you are biting the karmic weenie"
意訳すると、「ブログでデタラメを言ったり、嘘をついたら、そいつはとんでもないヘマをしでかしている」という感じだろうか。
ちなみにthe karmic weenieでググると、この発言を引用した無数のブログが出てくるだけでkarmic weenieが何なのか、またなんで冠詞がついているのかさっぱりわからない。
私は意味がわからずにアメリカ人の友人に泣きついてみたが、どうやらスラングのbiting the weenieと仏教用語のkarmicをかけているのでは?ということだった。
う~ん、どなたかご存知であればご指摘ください。
ブログのバイラル・マーケティング(WOMM ~Word of Mouth Marketing ~とも言うのかな)において、やらせをネタにそのインフルエンスの経緯までをコントロールしようとすることは、ブロガーたちに挑戦状を突きつけているのと同義ということだろう。
ちなみに雑誌FORRESTERの記事「The Buzz on Word of Mouth」では、成功したサーファー向け栓抜きつきビーチサンダルのWOMMに触れていて興味深い。
人々がその商品(or サービス)について関係していなくても、その商品に付随する経験こそがWOMMだという発言が記事中で紹介されている。
サイドストーリーで紹介されているサウスウェスト・エアラインズについては、まさに私もBLOG BUSINESS FUNDのファンド・マネージャーである村松氏から聞かされていた話だったので、「なるほど!」と思った次第だ。
この航空会社は非常にユニークな経営で有名らしい(村松氏談)。たとえばコストダウンをはかるために、乗り合わせた乗客にサービスをお願いしたりするという。だれも文句を言わずに、むしろそんな家庭的な同社のサービスを享受したがるリピーターが多いとか。
そういうふうに口々に語り継ぎたくなる話こそ、WOMMそのものだと記事は語り、WOMMは「マーケティング戦略」ではなく、「企業戦略」なのだと説いている。
語るに値する何かが付随されない限り、無理にイジったり、ごまかしたりするとthe karmic weenieに噛み付く恐れがあるわけだ。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4822240835/249-2612946-5860353?v=glance&n=465392
サウスウェスト航空のお話、こちらの本で読めますです
投稿情報: yana | 2006/07/15 08:47