Web2.0コンセプトが包有する「徹底した分散主義」「ナレッジの共有」「ユーザーをパートナーにする」などの特徴はよく知られていると思うが、「Will Web2.0 kill Cyberspace ?」を読んでいて、ビジネスだけの話に終始するわけではないのかも、と淡い期待を抱いた。
Web2.0が進めばサイバースペースという概念を変えてしまうのではないかと、同コラムは語る。
インターネット誕生初期のネットを桃源郷と捉えた理想主義者たちから見たら、凡庸な意見に感じるだろうけれど、実はブログにしても「もっとこうなら ないかな」と薄々感じていたことを表現してくれた気がする。まだ論は早急かつ楽観的すぎるし、よくわからない点も個人的にはあるが、大きな潮流を考えるう えでこういうアイデアは興味深いものだ。
図はDion Hinchcliffe氏による。
自己の「存在」[presence]がWebのクラウドと繋がり、「情報を共有」することで、「参加・関係」[participation]が生まれ、この三軸が同軸の「Web2.0フォース」を派生させ、サイバースペースではなく、よりリアリティに人間を 近づける(浸透・広がり[pervasiveness])と私は読解したけれど、間違っているかな?
ajaxをどう使うか、また集めたデータやトランザクションをどうおカネにするかという話で持ち切りのWeb2.0コンセプトだけれど、こちらの話 は、ITビジネスとは関係のない人にも、もうちょっとだけ親近感がもてるかもしれないし、異論も生まれる点だろう(このアイデアの前提には、デジタル・デバイ ドが存在していないし)。
それにしても、こういう話が出てくる背景には、9.11やイラク戦争、大統領選などのリアルとネットがより密接になってきた米国という「壮大な民主 主義と資本主義、そしてコンビニエンスとエレクトロニクス化の実験装置」がひとつの大きな曲がり角に差しかかりつつあるからではないか、と思う。
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