現在、私はサンフランシスコでIDGが主催する「Syndicate 2005」というイベントに来ている。このイベントは現在、世界的な規模で増大しているブログを中心に、CGM、ブログ、SNS、ソーシャルメディア、モバイルなどのパーソナライズされたメディア全体を取り巻く環境の変化に伴う新技術の台頭、そしてビジネスについてを展望するものである。
大別すると、このSyndicateは「メディア」「企業」「PR」「テクノロジー」の4種のカテゴリーから構成される。ゆえに私のように単独で来ていると、すべてのカンファレンスに参加することは難しいため、自分の興味ある特定分野に絞る必要がある。
Syndicateが興味深いのは、メディア関係者とビジネスマンが一同に介していることだ。情報を取り巻く空間(スフィア)に地殻変動が起き、まさにオールド・メディアからPR会社、IT企業(そしてVC)までキャッチアップに必死だ。講師にはダウ・ジョーンズ、ワシントン・ポストなどの大手メディアから、フォレスター・リサーチやケッチャムの著名PR企業、そしてマイクロソフト、ヤフーなどのIT系企業に続き、新進のフィード・ビジネス系企業が連なる。
12日はチュートリアルとして、テーマ別の分科会が設けられ、私は「Advertising in Consumer Generated Media」に参加。4時間続けての講習となった。
仔細については改めて要約を報告したいが、今回のイベントは初日ということもあり、客数は少ない。そのせいか、講師とマンツーマンでチュートリアルを享受することができた(多数の人たちは13日以降が目当てだと思う)。
Syndicateの終了後、旧知のアンドリュー・アンカー(Six Apart)と再会(メナによるアンドリューの紹介が面白い)。十年ぶりに会ったので、昔話に花が咲く。
夜には、講演者や出展企業のキーパーソンが集う内輪のパーティーが催され、私も参加。
米ヤフー、eBAY、マイクロソフトなど名だたる企業のほかに、Web2.0なRSSフィードを中心にビジネスを展開する新進企業が混ざり、それぞれの問題点を討議していた。
興味深かったのは、米ヤフーすらRSSを一般のユーザーに認知させるのが大変とこぼしていたことだ。そういえばチュートリアルの受講者もRSS自体をよく理解していない人が見受けられ、このイベントへの注目とは別に、コンセプト自体の認知には時間がかかるだろうという予感を抱かせた。
米ヤフーのPR担当になぜdel.icio.usを買収したのか理由を聞くと、「話せる立場にないけれど、タグが理由だろう」と言っていた。flickrとdel.icio.usを買収したヤフーはますますヤフー2.0を目指すのか?との問いに苦笑していた。
インターネット黎明期と違う点は、大企業と新興の小さな企業が対等の立場でコミュニケートしていることだ。大企業とはいえ、収益をあげている中核事業とは別に新規市場を狙う部門の担当者にとってみれば、まさに未知の領域であり、そこでは先行しているPheedoやtechnoratiのような小さな企業のほうが大先輩なのだから。
RSS Industry Night Roundtableにて。Syndicate開催のヒルトンホテル近くのレストランにて。
eBAYがなぜ日本で成功しないのか、eBAYのスタッフに聞いてみた。マーケティングの問題だとか。最後に「We'll be back in Japan」と言っていた。eBAYでは、すでにclassfiedのADサービスを全世界で展開している。
時差ボケと一日中英語でまくしたてられ疲れていたせいか、えらく酔っぱらってしまって、その後、現地入りしていたRSS広告社のスタッフを夜中に呼びつけてしまった。すみません。
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