Syndicate 2005 S.F.は14日(現地)で終了。
最終日はすでにお伝えした米ヤフーとマイクロソフトの講演、そしてポッドキャスティング、アテンション・エコノミー、シンジケーテッド・ジャーナリズムについてのトラックに参加した。
特にポッドキャスティングについては非常に有意義で参考となった。最近に起きたポッドキャスト・ハイジャック事件は、RSSフィードの脆弱性を考えさせられるものだ。ほかにポッドキャスト検索や、いかにポッドキャスターが稼げるようになるのかが大きな課題であることが浮き彫りとなった。
アテンション・エコノミーは、大昔のサイバー・クリプト(暗号によって政府や企業から自身のデータを護る)を彷彿させるテーマで、Web2.0の時代において我々の関心(アテンション)を奪取するであろう検索エンジンやRSSフィードなどから自身を防御することを呼びかけている。ビジネス書の『The Attention Economy』とは名前だけが同一だった。てっきり、ユーザーのアテンションをいかに惹き付けるかという話かと思っていたら、まったく逆だった(苦笑)。とにかく、内容が難しすぎて中座。
その後、コーポレート・ブロッギングというトラックに参加。こちらは私のつたない英語力でもだいたい理解できたが、あまりに中身がないのでギブアッ プしてしまった。企業人がブログを行なう意義のようなものを一生懸命に説いていたのだが、う〜ん、なんだかおしゃべりの域を出ていないよ うな……。その活用法については、まだアメリカでも手探りの感が強い。
今回、商談がメインの渡米であるため、全容を掌握できたわけではないが、全体を俯瞰しての感想は以下のようなもの。
- マイ・アグリゲーターのデファクトをめぐりソフトやウェブサービスが乱立しまくり。
- ブログ、SNS、ポッドキャスト、モバイル、アグリゲーションの垣根が無くなりつつある。
- 膨大なブログやコミュニティからのフィードを検索、または測定・解析することが緊急的な課題。
- 膨大なフィードをお金に換えるビジネスモデル構築が緊急的な課題。
- 増大するフィードの前に大企業の優位性は消え、中小企業の弱点も最大の利点に転化できそうだ。地理的ハンデはなくなり、むかし、ジョン・ネスビッツが言っていたような少数のプレイヤーがグローバルで勝つ可能性がWeb1.0のときと同様に高い(しかし、小さな企業でも能無しばかりだと無理)。
- フィードの主役はユーザー。コミュニティ組成は何にも勝る。
- マスメディアやマス広告はまたまた転換期(別にいま始まったことじゃないし、改めて言うほどのこともでないけれど)。
- いまは、まだ認知されていないが、来年の今頃は……(たぶん、某大前氏や某堀氏、その他ウェブに疎かったはずの数多の経済学者たちがその手の本を出して、激しく萎えそうな予感)。
ということで、別にアメリカにまで来なくても予測可能なことばかりを連ねてしまって恐縮である(逆説的ではあるが、それも次のパラグラフで語ることの証左である)。
それは、Web2.0とかいうことではなく、マイメディア台頭によるライフスタイルの変化と細分化および秒刻みでフローする情報過多にどう対応するか否か、そして「待ち」や「見送り」の企業が多ければ、それはほかの誰かさんにとってビジネスチャンスになり得る、ということだ。
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