Syndicate 2005 S.F.の3日めでは、Yahoo! US(以下、ヤフー)のパーソナライゼーション・プロダクツのシニア・ディレクター、Scott Gatz氏が講演を行なった。
シンジケーション(日本でいうところのフィード・ビズか?)までの長い道のりを振り返り、97年のポイントキャストまで引き合いに出していたのが懐かしい。
何カ月か前に公開した白書から引用し、アメリカにおけるインターネット・ユーザーのうちRSSリーダーの利用者数は31%であること、また今後も伸びていくことを告げる(白書ではRSSをよく理解しないまま使っている数のほうが多いので、ヤフーのようなポータルがRSSリーダーを装備すべきという論調だったと記憶する)。
Scott氏は「コンテンツ・シンジケーション・エコシステム」というコンセプトを掲げ、それは広告主、パブリッシャー、消費者の三者がヤフーを中心として繋がるというものだ。また、RSSの普及はマスメディアに対置するマイメディアの時代であるとも。
ヤフーの次世代コンセプトは、このマイメディアに対し、「どこでも」「いつでも」「どのデバイスでも」コンテンツをフィードすることだ。
従来の検索にも、推薦、評判、人気、コミュニティの選別など多くの選択肢を付与し、タグやレイティングを活用していくと語る。会場では先日に本ブログでも紹介したRSSリーダーを実装したYahoo! Mail βを披露した。
その後、休憩をはさんでからマイクロソフトのIEとRSSテクノロジーのジェネラル・マネージャー、Dean Hachamovitch氏が講演。併設の会場では来年1月に公開される予定のIE7が公開されていた。
Hachamovitch氏はWindows LiveとLive.comについてデモとコンセプトを説明。このSyndicate全体にいえるのだが、ポータルからアグリゲーターまで、どの企業もリッチ・コンテンツをフィードし、好きなようにカスタマイズが可能と謳う。
すでにいろいろと伝えられていると思うので仔細は省くが、Windows Liveはガジェットと呼ばれるコンポーネンツを自由に選びながらカスタイマイズが可能となっている。周知のとおりヤフーはすでにウィジェットのKonfabulatorを取得。二つの規格はガチンコ勝負になるだろう。
(ガジェットはすでにいくつかが公開されている。→ Microsfotgadget.com )
それにしても、初めて触ったWindows Liveは凄まじく多機能だ。これを見て、やる気を失う人もいるのではないかと心配になってしまう。
Hachamovitch氏は、Windows Liveの紹介の前に「Microsoft is back」と言ったが、それほどの自信があるということか(私のようなひねくれ者は、昔のようなひどいUIと独禁法も気にかけない体質に戻ったのかと勘ぐってしまった)。
Yahoo! Mail βといい、二大陣営が威信をかけてのAJAX大戦争勃発である。
ウェブトップとデスクトップの良いところ取り、というのがマイクロソフトの戦略かもしれないが、ガジェットのなかにヤフーやGoogleのAPIを利用したものも身受けられ、巨大寡占企業がWeb2.0の世界で凌ぎを削ることの難しさが垣間見える。
個人的にはHachamovitch氏が原稿を棒読みだったことが気になったのと、マイクロソフトのガジェットへのアプローチは後だしジャンケンという気がした(まあ、勝つんだろうなあ)。目新しい発表こそなかったが、両巨頭のスタンスの差が理解できたと思うので、それはそれで面白かった。ヤフーはやはりメディア企業というところに力点を置いているあたりが、Googleとマイクロソフトとの大きな差だろう。
わたしゃ、pointcastの本社まで行きましたねー、そのころ。
なつかしー。
でもやっぱり時代はwindowsなのだろうか??
PBG4でアクセスする私は、ちょっとだけ、考えてしまいます。
実際、家のネットワークは混在してるし、そうしなきゃ、成り立たないのが現実。
投稿情報: gitanes | 2005/12/24 02:17
講演をみたときの印象では、MSのやり方はいきなり過去のビジネスモデルという感じがしましたねえ。
新しいOSにしても、Pantherみたいだし。
次は家庭プラットフォームの奪取に向けてがんばらないとiPodを主力としたアップルがいるし、ビジネスではグーグルとの一騎打ちだし、MSは今後大変ですね。
投稿情報: kobahen | 2005/12/25 12:13