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コメント

はじめまして。

いつも参考にさせていただいております。勉強になります。

NikkeiNetの記事を拝見しました。

>ただし、そうなると個人情報の管理はどうなるのか? やはり一元的に集約して管理する決済サーバや過去ログを参照してお勧めをプッシュする役割が楽天には残るだろう。

同意なんですが、一元的に集約して管理する方向にすることをさらに強化する意味で、楽天自身がどんどんシステムを強化していき利用者が使いやすくしている努力を怠っているように思えます。特にアマゾンと比較してしまうと雲泥の差を感じてしまいます。その点についてはいかがなものでしょうか?
先日も銀行保険業への新規参入や去年の球団買収、TBSとの騒動などピントがずれていると思わざるを得ないのですが・・・

はじめまして、maconnnさん。

私見ですが、楽天がほかのポータルよりもアドバンテージがあると思えるのは売れ筋商品の情報がリアルタイムで掌握できているという点かと思っています。

この意味でテレビ番組と組み合わせたコマースはかなりの威力を発揮できると思うのですが、テレビ局を買収すれば余剰なコストと労力がかかります。

また、テレビ&コマースは最強なので寡占状況を作り出す恐れがあります。常々、テレビ局は電波は公共のものと自負しているので、そんな公共の器でインフォマーシャルやコマースの促進を行えば、そもそも放送法なども見直す必要があるかもせません(これについては門外漢なので詳しくないため、あくまで憶測です)。

一方、テナントにとっては全国ネットで自社商品が紹介されるため、楽天のサービスを強化する側面をもつでしょうね。

なので、あながちピントはずれともいえなくないのですが、放送事業の実情(裏側)と今後(放送局の再編を国が検討中:民法連が猛反対中)を考えると、三木谷さんが社運を懸ける気があるのなら、既存局を買うよりも放送事業を開始したほうが安上がりと思えます。(しかし、かつて楽天は雑誌を発刊し失敗していることと時価総額を鑑みると、既存のビジネスを買い上げたほうが容易いでしょうし、コンテンツ企業ではないため、イチからつくるという発想にはつながりにくいかと)

球団については、一般ユーザーもさることながら商店の楽天加入が伸びているということなので、球団買収はかなりのPRを果たしたといえるでしょう。たぶん、球団経営を宣伝費として看做せば、多少の赤字は覚悟のうえではないでしょうか。

おそらく、maconnnsさんの感じられる「ピントはずれ」という違和感は、楽天をドットコム企業としてみた場合の違和感と推察されます。

私は昔から楽天のモデルはそごうや大丸の建物がないバージョンだと考えているので、今回の楽天の動きは日本の市場を見据えた場合、想定の範囲内(苦笑)だと思いますが、今後のウェブ・ビジネスを鑑みるとテレビ局よりもプライオリティの高いことのほうが多い気がします。

現在も、たぶんこれからもユーザー情報と売れ筋情報を一元化して保持することこそ楽天の強みだと思うのですが、maconnnさんがご指摘のとおり、それにより利用者にとって使いやすいサービスになっているのかという点については疑問が残ります(私はどうも、あのインターフェイスに慣れないもので)。

実は楽天について考えるうえで、米で面白い試みが登場しているので、近いうちにエントリーとして投稿いたしますね。

こんにちは。レスありがとうございます。返事遅れてすいません。

>この意味でテレビ番組と組み合わせたコマースはかなりの威力を発揮できると思うのですが

テレビとネットのモールはつながりがないように思えますがどうでしょうか

つながりがあるならば、楽天があれだけTBS買収にこだわったのは納得できます。

maconnnさん、どうも。

> テレビとネットのモールはつながりが
> ないように思えますがどうでしょうか

たとえば紀行系の番組(こちらはテレビ東京のお得意分野ですが)で女優さんが美味しそうに食べた三崎漁港のマグロを本日入荷分限定何食分かで特別販売、いますぐこのURLにアクセスしてください。ということで、モール出品者からの商材を番組内に仕込むことができます。

宿泊したホテルもそうですが、通常のドラマ内にもリプレイスメント広告を仕込めるのではないかと予測します。

『アイロボット』という映画でアウディが、『マイノリティ・リポート』でレクサスがブランドの擦り込みをしていたり……。

またドラマでかかった主題曲をワンセグなら、携帯からクリックしてダウンロード購入が可能ということもできるでしょう。

モールの出店者にとっては全国区で商材を販売できるため、マーケティングコストとしては安価にリターンを得る機会が創出されるかと思われます。

Click Per Contentsとでも言いましょうか、デジタル化され、さらに受像機がPC並の性能をもつことでコンテンツとネットとはさらに距離が縮まるため、視聴者のトラフィックを誘導すること容易になると予期されます。

よって、すでに無料で数多くの視聴者を抱えているテレビ局は最大のポータルとなるので、仮想モールや通販系のネット企業にとってはとても魅力的なインフラとコンテンツ制作能力を保持している、でもデジタル活用を知らない前時代的な企業に映るかと推察されます。

こんばんわ

>たとえば紀行系の番組(こちらはテレビ東京のお得意分野ですが)で女優さんが美味しそうに食べた三崎漁港のマグロを本日入荷分限定何食分かで特別販売、いますぐこのURLにアクセスしてください。ということで、モール出品者からの商材を番組内に仕込むことができます。

数千万広告枠に払っている既存の広告主がどう思うかによりませんか?
下手すれば月額5万円のモール出店者の扱いが「上」となれば問題になると思うんですが
見合うだけの広告額となれば、それほど割安なマーケティングコストにはならずそれなりの高価なコストになるはずと思います

> 数千万広告枠に払っている既存の広告
> 主がどう思うかによりませんか?

> 下手すれば月額5万円のモール出店者の
> 扱いが「上」となれば問題になると思
> うんですが

> 見合うだけの広告額となれば、それほ
> ど割安なマーケティングコストにはな
> らずそれなりの高価なコストになるは
> ずと思います

たしかに月額5万円では済まないでしょうね。ただ、商品の販売額に応じたロイヤリティは徴収されるでしょう。
それを差し引いても純粋なCMをうつコストよりは低くなると思います。

また、すでに既存の番組内では通販系CMが、いわゆる通常CMと同居しているしているように見受けられますが、両広告主は同じ金額を払っているのでしょうか?

雑誌などでは純粋な広告と記事広告(タイアップ)では価格が違うため、同様なビジネスモデルを構築できるのではないかと思われます。一般企業からの純粋な広告費を下げて、その差額を楽天側が支払うか、もしくは楽天一社で枠をもつことも考えられるかと。

また、番組内の通販については、URLをインポーズせずともその商材を取り上げることが、すでにデジタル化されたコンテンツのなかでは視聴から通販への有力な導線と思われます。

こんばんわ

>たしかに月額5万円では済まないでしょうね。ただ、商品の販売額に応じたロイヤリティは徴収されるでしょう。
それを差し引いても純粋なCMをうつコストよりは低くなると思います。

零細事業者よりもナショナルクライアントに新たな枠として販売したほうが結局高く売れると思います。
それを強引に楽天テレビ局が入れたとしたらやはり現広告枠が大幅に値引きになりテレビ局として今の人員を維持できないんじゃないですか?だから通信との融合には放送側の誰も賛成しないと個人的にはみてます

> 零細事業者よりもナショナルクライアントに
> 新たな枠として販売したほうが結局高く売れると思います。

たぶん、いくつかのアウトプットを提供することになると思います。販売に直結することを望むナショナルクライアント、そして通販に特化した事業者というように。

現状も暗黙の了解があり、通販系の匂いがしたとたんにナショナルクライアントは出稿を控えます。ブランディングを大事にする企業はリプレイスメントか、通常CM枠をほしがるでしょう。すべてが中小企業一辺倒のディスカウント・モードになるとは思えません。

> やはり現広告枠が大幅に値引きになりテレビ
> 局として今の人員を維持できないんじゃな
> いですか?

現行の出稿が視聴率以外の指標に則った場合(デジタル化では容易)、新聞広告もそうですが、ブランディングやIR目的以外を除き、効果測定をしづらいことはアナログの欠点であり、企業もそれをいつまで受容し続けるのかわかりません。デジタル化はいずれにせよ、現行のビジネスモデルの再構築を問うています。

局としては現行体制を維持していきたい反面、デジタル化に対して有効なビジネスモデルを模索しているという状況にあるでしょう(しかし、それを理解し推進している人がビジネスの舵取りをしているとは限りませんが。むしろ局のなかでは異色でしょう)。

局は視聴というトラフィックとブランドの認知をもっているのだから、デジタル化に対して大きなアドバンテージがあります。
現行の人員なりを維持するためのスキームを構築することは【楽天の手を借りずとも】可能だと思います(人材さえいれば)。

また、放送はアナログ時代の許認可事業ですが、デジタル化に際して行政がその寡占状況を打破するべく「アンバンドル化」を再び推進することを想定した場合、放送局の価値は半減するので、楽天のようなTOB戦略は意味がないと私は自身の記事で主張しました。

なので、maconnnさんが最初のコメントで書かれているように、私自身も楽天の戦略のピントがずれているという点に同意しております。念のため。

【アンバンドル化】
http://www.kantei.go.jp/jp/it/network/dai8/8siryou1.html

なるほど、よくわかりました。

>局としては現行体制を維持していきたい反面、デジタル化に対して有効なビジネスモデルを模索しているという状況にあるでしょう(しかし、それを理解し推進している人がビジネスの舵取りをしているとは限りませんが。むしろ局のなかでは異色でしょう)。

これを打破するのは難しそうですね(笑)
既存のビジネスモデルを破壊する要素のある新たな試みをできる企業かどうかマイクロソフトやソニーなども試されているのでしょう

本当に参考になりました。ありがとうございました。今後もブログでの記事を楽しみにしていますね

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    *上記は4刷版より改訂済み。

    P129 1行め「FoxというCATV局…」 → 日本では衛星デジタルとCATVで配信されていますが、全米では地上派放送です。誤解を招く表現でしたので3刷時に改訂しました。

    P253 8行め 「『About.com』は、ワシントンポストの子会社であるニューズウィークに買収され…」→ すみません。完全に思い違いをしていて確認ミスです。正しくは同サイトはニューヨークタイムズに買収されました。こちらも3刷時より改訂いたしました。

    以上、謹んでお詫びし訂正いたします。

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