BtoB誌によれば、衛星ラジオ配信の大手XMとSirius社と、既存ローカル放送局によるHDラジオ化の覇権争いがヒートアップしているようだ。
ラジオのデジタル放送化は、すでに衛星ラジオ放送によって実現されているが、既存のAM/FMを拡張するHDラジオという技術を導入するほうが安上がりであり、なおかつ資産である既存リスナーを切り捨てることなくデジタル化できるため、注目を集めている。
同誌によれば、米国ではこれまで700局のHDラジオ局が存在しているが、今年の末までには1200局に増える見込みとのこと。
それに対し、衛星ラジオのXMは600万人、Siriusは330万人の会員を抱えているのだとか。
XMでは広告収入が2003年の300万ドルから2005年には2100万ドルに増加したという。特に内訳としては、IBMやヒューレット・パッカードのようなBtoB企業の広告が15%を占めている模様。
地上波のラジオ局は1時間に平均20ほどのCMが挿入されるようだ。それに比べて衛星ラジオはその半分とのことなので、出稿本数と地域ターゲットで勝負する地上波に対し、企業メッセージをより強く訴求できる衛星という棲み分けが予想される。
また、ラジオ業界全体では広告収入は約215億ドル(2005年)、2004年との比較では1億ドル上昇のほぼ横ばいだった模様(14%が自動車業 界からの出稿によるらしいが、同業界からの出稿が1%減少した影響にもよるとのこと)。地域広告は1億ドルほど上昇したらしい。
すでに発表されているように、GoogleはdMarcという会社を買収。
既存地上波のHDラジオ化に向けて、将来AdWordsの自動配信を考えているようだ。
長らく元気のなかったラジオ業界だが、同業界をめぐる話題はいままたビジネス紙のトップに返り咲いたといえよう。
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