私が愛読しているFastCompanyのMay Issueに面白い記事が掲載されていた。
それは組織のなかの強い統率者とでも言うべき、アルファ・エグゼック(幹部・役職者)についてのものだ。
このアルファ・エグゼックたちがもたらす統率力と、負の面について同記事はレポートしている。
興味深いことに、アルファ・エグゼックたちは四種類のタイプに分類されるらしい。その四種類の「よい面」と「悪い面(ダークサイド)」を簡潔にまとめると以下のとおり。
1)指揮官タイプ (例~ジャック・ウェルチ)
よい面
エネルギッシュ、決然としている、やる気に溢れている
ダークサイド
威張り散らしている、脅迫的、操縦不能2)ビジョナリー・タイプ (例~リチャード・ブランソン)
よい面
志が高い、創造的、直観力
ダークサイド
自信過剰、夢想的、防御的3)戦略家タイプ (例~マイケル・アイスナー:ウォルト・ディズニー前CEO)
よい面
知的、客観的、分析力
ダークサイド
独りよがり、うぬぼれ、非情4)執行人タイプ (例~サム・ウォルトン:ウォルマート創始者)
よい面
疲れ知らず、戒律的、要求が厳しい
ダークサイド
辛抱さがない、非合理、真価を認めない
さて、上記に挙げた人々は企業のトップだが、このアルファ・エグゼックは、幹部職員にもいるし、もちろんあなたの同僚かもしれない。時にそのダークサイドにより恐ろしい破壊力をもたらすという。
カーレースに喩えれば、アルファ・エグゼックたちはゴールを設けて、レースをしている間ならチームに勝利をもたらすドライバーではあるが、レースが終わると、あちこちに衝突し、道行く人々をなぎ倒す破壊者にもなりえるというのだ。面白いことに、女性のアルファは1のタイプに多いらしい。
余談だが、ウォルトディズニーのCEO交代劇では、水面下でビジョナリー・タイプ(スティーブ・ジョブズ)と戦略家タイプ(マイケル・アイスナー)という二人のアルファ・エグゼックによる暗闘があったことは、『偶像復活 スティーブ・ジョブズ』という書籍に詳しい。
さて、新聞やニュースでおなじみの日本の経営者たちを四つの分類に置いてみると、面白いかもしれない。私見では、営業マンに多い1と4、雇われ社長などに多いのが実務家としての3、技術者や職能者に多い2、という感じだろうか。
自分がアルファ・エグゼックという自覚がある人は、リーダーはタフであるべきだが、同時にナイスでなくてはならないという教訓を胸に刻んでおこう。
コメント