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苦いコーヒーにミルクが溶けていく。漆黒の液体のなか、天使の白い羽が溺死死体みたいに、くるくる回る。
君はハニーラテにすればよかったと思う。その隣で、若い男が読んでいた本をパタリと閉じる。それが合図でもあったかのように、忘却が君に襲いかかる。
君はしばし踏みとどまる。ハニーラテ。シナモンチェリー。メープルシュガー……。だれかが囁く。世界がどんなに冷酷でも、おまえはその甘味な世界だけを記憶しろ。
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