品川寺から、すぐに歩いて行ける海雲寺には、竃(かまど)の神様である「千躰三宝荒神(せんたいさんぽうこうじん)」が奉(まつ)られています。
この神様は、竃、水、火を守るため、江戸時代から「品川の荒神さん」として庶民から親しまれ、家庭の台所に祀られてきたようです。
台所に祀るための護符は、毎年3月と11月の御開帳により頒布されています。ご利益として、火事を除き、衣食住に困らないとのこと。お札をもらった帰路は寄り道禁止という言い伝えがあるようです。
海雲寺の山門をくぐると、すぐに平蔵地蔵(この地蔵尊の謂れはこちらを)と高台に立つ明王が出迎えてくれます。また、敷地内には「厠(かわや)の神様」こと、烏蒭沙摩明王(うすさまみょうおう)が祀られています。この海運寺、なんとキッチンとトイレの神様が一堂に会する場所なんですね。
神仏ではありませんが、寺には大正時代まで沖仲仕たちが力比べに用いていたという大きな石があります。その表面に「力石」と朱色で書かれていて、ちょっとやそっとで持ち上げられそうにありません。
海雲寺の境内にある建立された鐘楼の四方に施されたレリーフは見事です。そこには高僧たちの姿が彫られています。
Hasselblad 500M/C, Sonnar C150mm f4 non*T, Planar C80mm f2.8 non*T, Kodak 220 Portra ASA400
私見ですが、品川寺の境内には厳かな気が流れているのに対し、海雲寺はどこかたおやかな気が流れているという感じがします。お参りに来ていた初老の方から、境内のしだれ桜が見事だから、また咲く頃に来なさいとのこと。とても楽しみです。
関連記事
コメント