実はサブ機のリコー R8を処分しまして、代わりに、最新型(数十年前の)カメラを購入しました。その名は、Rolleicord(ローライコード)。Va型で、しかも6×4.5サイズで撮影できるように改造されたやつです(Vaはアダプター装着でいろいろなサイズが試せる)。しかし、6×6に戻せないのがアレで、そのせいかダンピング価格。超堀出し物でした。革のケースがまた頑丈そうで渋い!!
ローライといえば、6×6サイズなんですが、これは6×4.5。正方形にこだわる人は多いけれど、ロクヨンゴとは渋い改造だと思います。そのおかげで、とても安価に入手できた気がします。
ご存知かと思いますが、ローライといえば、ローライフレックスの2.8や3.5、最近では4.0が有名ですが、このローライコードは露出計といくつかの機能を省き、軽量化したローライフレックスの廉価版です。でも、そこはローライ。廉価とはいえ、画質に手抜きはナシとの噂。イッツ・オーライ、ローライ!
レンズはシュナイダー製のクセナー 80mm f3.5。
Nさんが貸してくれたスーパーイコンタのテッサーが真のカリスマ描写だったので(戦前のカメラとは信じがたい!)、感動のあまりオシッコ漏らしてしまいそうで、同じレンズを搭載したローライフレックスに興味津々だったのですよ。
そうして、いろいろ調べてみたら、テッサーもさることながらクセナーも気になってしまったわけですね。そこから、程度のよいローライコード探しの旅が始まりました。
下の写真はデジタルのペンタックスK200Dに旧式レンズのシアーズ 28mm f3.5 マクロを装着し、500円で買ったレンズフィルターをかまして撮影したもの。なんか倒錯してるなー。デジイチで、クラカメをクラシカルに撮影するとは(笑)。
いじるにつけ、見るにつけ、まさに考え抜かれた無駄のない設計。それでいて、ペコリンっと、お辞儀するように覗くファインダー越しの映像が身震いするほど美しい!(鏡像だけど)
しかも、このローライコードVa、わたしより先輩なんですね。そんな旧い機械が教えてくれることの豊かさに衝撃を受けるわけです。
欧州の職人が作り出すものは、バイクやクルマもそうだけど哲学の塊なんだと思います。グローバリズムのせいで、大企業になるほどつまんなくなるんだけれど。
思想がありますね。二眼というメカニズムもさることながら、フィルム装填からして楽しい。このローライもそうですが、機械式のアサヒペンタックスKMやスーパーイコンタをもつと、写真を撮ることは、目の前の光景をコピーすることではないと思い知らされます。
それは、なにか? 儀式にも近くて、わたしの場合は世界を再度、まさぐる感じでしょうか。見慣れた光景が実は二度と見れない愛おしいものだったり、すべては滅びていくんだということを強く意識するようになりました。だから、わたしにとっての写真は、対象物を不死にしたいという祈りのようなものかもしれません。
なにが撮れるのか、あるいは手強くてなにも撮れないのか、考えただけでときめきますねー(単に技術がなくて妄想のほうが広がっているのですが)。いやあ、デジタルから始まった写真生活ですが、機械式カメラのすごさに畏怖する日々です。
今後、ぼちぼちと仔細や作例を本ブログにアップしていく予定です。
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