金子光晴 (1895-1975) 。日本の詩人ですよ、念のため。
その反骨ぶりは、晩年の詩「そろそろ近いおれの死に」でも健在です(とっていも、故人ですが)。
たとえば、「新聞はまず黒枠に目を通して/ひとも死に/じぶんも死ぬ事を確かめる。/なんとはなくそれも愉快な事である」と書いています。
晩年になっても、好爺にならずパンクな詩人です。
「誠実について」では、「誠実であることは/すっぽかすこと、/こんな分かりきったことが/若い日にはわからない。」とあります。
わたしが好きな詩は「心みのり」。以下、全文。
「春、夏のみのりはことしもむなしく/裸足で、/髪ふりみだし、/思念は、縦横の傷を残し、/血は汚濁して、/おびただしい、死んだツェツェ蠅の群。」
もし、金子光晴が生きていたら、金融危機に翻弄されるわたしたち日本人をどう評したでしょうか。
コメント