……自分のなかのもっとも暑かった夏は6月に山中の廃墟を彷徨ったときなので(あんなに楽しかったことはなかった)、すでに8月を過ぎてからは夏の抜け殻のように、気づくとどうやって毎日を過ごしていたのかわからないほど。激務に追われつつ、感情を反芻する間もなく安物のカメラで空の写真を撮っていました……
……ワケあって催眠術を覚え自分に施したのですが、最初はうまく効いたかと……でも、どうやら失敗。素人が手を出すのは危険でしたね。それからリバウンドがひどくて……
……このままでは心と体が壊れてしまうと思い、ある人にそれとなく相談をしたら、あなたのような人間はもはや誰かが癒すというレベルにないので、あなた自身のなかにしか救いはないだろうと言われました。そして、勧めらたのは瞑想。これは偶然。なぜなら、わたしもそうしようと思っていたから……
……しばらく前から禁酒しました。菜食中心に食生活を変えました。宗教的、あるいは思想的な理由からではなく、ただ体が受け付けず……気づくと、安物のカメラで空を撮っていました……
……ひどく落ちたり、翌日には上がったり、まるでジェットコースターのようにめまぐるしく、一歩前進二歩後退……後退かよ。
……ある晴れた日、6月に訪れた廃墟に戻りました。もしかしたらあのとき訪れたのは廃墟じゃなかったのかも、と思えたほどです。今度は、本当に廃墟でした。すべて死に絶えていました。いや、あのときもすでに滅んでいたはずですが、不思議ですね。自分のなかでは廃墟ではなかったのかもしれません……
……今度は本当に廃墟……もう辛すぎるくらいの廃墟でした。心が破れそうでした。破れたかもしれません……
……その後、安物のカメラで空を撮ることにしました。そのほうが、なにも考えなくていいし、電子レリーズでバルブの時間をカウントし、「はい、ミラーアップ。次スタート。1秒、2秒……」という具合に自分の動きを実況しています。ある人に言わせれば、それは瞑想の一種だとか……
……そして、空ばかり撮っています……作品でもなく、記録でもなく、ただハードディスクに空の画像が堆積していくだけ……人間の心は液体のようですね。あるいは雲みたい。落ち着くこともなく、風やなにかに流されていってしまう……ああ、晴れるといいな……
とりあえず2週間休め。
ヴィパッサナー行ってみれ
http://www.jp.dhamma.org/index.php?L=12
2週間休んで何か得るものがあるか、
そのままがんばってどっかで折れるか
っていえば、休んだ方が合理的だぜ、社長。
投稿情報: nomad | 2009/10/15 00:22
> nomad
ヴィパッサナー、知っているよ。そこを薦められたから。
たぶん、大丈夫。
ありがとう。
投稿情報: 小林 | 2009/10/15 09:16