「想像しろ」 その奇妙な物体は言った。
「想像しろ、想像しろ」
思わず、僕は想像したーー京王プラザホテルの壁面を登っていくかたつむりを。
「想像しろ、想像しろ、想像しろ」
立ち並ぶビールの空き缶でできた魔法陣の中心で奇妙な物体が呟く「想像しろ」コールを聴きながら、少しずつ僕のかたつむりは壁を登っていった。突然、伯父は心配そうな声をあげた。「まさか、かたつむりなんて想像してるんじゃないだろうな?」
「うん」とぼくは答えた。
「もちろん、野球のことを想像してるんだろ?」
「当たり前だよ」
(『優雅で感傷的な日本野球』 (河出文庫))
その牛たちはオフィス街に何気ない顔で点在していた。顧問弁護士のオフィスに行くついでにスナップしたが、いったい、あの牛たちは何だったのだろう?
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