前回に続き、TOA2017の見どころを解説していきます。
TOA2017の見どころ 3 : 登壇者たちがとにかくヤバい! 空飛ぶ自動車から、人間のサイボーグ化、ブロックチェーンによるスタートアップ投資まで、日本人の知らないスタートアップが一堂に!
毎年、あらゆる領域からユニークなゲストを招き、話題には事欠かないTOAのピッチですが、今年のラインアップが発表されました。その数すでに99名! これからもまだ追加がありえるため、本記事は6月3日時点の人選を基に作成しています。
今回、わたしの独断と偏見によって「この人の話を聞きたい & 会いたい!」リストを挙げてみたいと思います。とにかく人数が多過ぎて全員を紹介するのが難しいため、あくまでご参考まで。ご自身でもチェックすることをお薦めいたします。
未来の交通手段? フライングカー, 中東のプリンスは連続起業家, ブロックチェーンで資金調達可能な市場が誕生, IoTAでモノの経済を推進
わたしが聴きたいピッチのナンバーワンは、スロヴァキアのスタートアップで、空飛ぶ自動車を製造するAeroMobilのCEO/共同創設者のJuraj Vaculik氏の講演です。完全自動操縦も視野に入れて開発中のAeroMobilですが、価格は数千万円になるそうです。
この後も紹介は続きます。
HH Fahad AI Saud氏も大物スピーカーの一人です。サウジアラビア国王の孫で、Facebook のアラビア担当も務めていたそうです。スタンフォード大学出身で、現在はLA在住なんですね。そんな中東のプリンスは、連続起業家・投資家として後進や女性の権利のためにさまざまな支援を行っているようです。中東のみならず、欧州や南アフリカでも活躍中とのこと。話を聞いてみたい一人です。
今回、ブロックチェーン関連の注目登壇者のひとり、FunderbeamのCEO/創設者のKaidi Ruusalepp氏をご存知でしょうか? 彼女はエストニアで起業し、シードマネーを全世界の投資家から集められるプラットフォームを立ち上げました。キックスターターがアイデアの製品化に投資をする短期型のプロジェクト・ファンドだとしたら、こちらは未公開株への投資ファンドとしても機能します。かなりディスラプティブなアイデアと言ってよいでしょう。いわば、ブロックチェーンによる国際的なグリーンシート市場をつくってしまったわけです。
ブロックチェーンを使わずに、IoTの暗号トークンであるIOTAを推進する若きイタリア人も登壇します。ITOA財団の共同創設者Dominik Schiener氏です。同氏はマシーン同士のトランザクションによるモノの経済化を進めています。ハードウェアの貸与など、低コストで運用できる仕組みが構築できることで、シェアリング・エコノミーのマネタイズが効率的に実現できそうですね (IOTAについての日本語の技術解説は「レオンハルトジャパン公式BLOG」さんが参考になります)。
ヒトのIoT化か? サイボーグ化を支援するCyborg Nest
かなりぶっ飛んでいるのが、Cyborg NestのCEOで共同創設者のLiviu Babitz氏ではないでしょうか。彼らが目指すのは人間のサイボーグ化。North Senseは肉体に外科移植するセンサーで、方位磁針のようにどこが真北か教えてくれるそうです。なんだか、ヒトのIoT化とも呼べますね。ウェアラブルでも良い気がしますが、肉体に埋め込まないとサイボーグとは言えないのでしょうか。
そして、同じサイボーグつながりというか、人間のサイボーグ化を推進するNPO団体Cyborg Foundationの共同創設者であり、 Cyborg ArtsのMoon Ribas氏も登壇します。彼女はアーティストであり、サイボーグ化を支援するアクティビストです。Ribas氏は、自身の右腕に全世界の地震をモニターする地震計を外科移植しているそうです。
さらに彼女と人類サイボーグ化を推進しているNeil Harbisson氏は、頭にセンサーのついたアンテナを頭蓋骨に装着しています。彼は生来の色覚異常を補うため、そのアンテナによって光の波長を関知し、色をセンスして、それを音響に変換するそうです。登壇者にHarbisson氏の名前はありませんが、もしかしたらTOAの会場で会えるかもしれませんね。
さて、今回の紹介はほんの一部だけです。まだまだ登壇者の紹介は続きます。 次回は、ダイソンに認められた自然エネルギーのスタートアップ、 誰もが使える暗号化メール、AIによる画像認識機能のAPI……など、さらに紹介いたします!
*わたしが代表を務める株式会社インフォバーンでは、TOAオフィシャル視察ツアーを企画し、JTB社と今夏実施します。同ツアーのみでしか行けない会場施設ほか、ベルリン市内にある数々の拠点を期間内に視察します。わたしも同行しますので、もしご興味をもたれた方は、こちらのフォームからお問い合わせください。TOA公式視察ツアー 問い合わせフォーム
コメント