2010年にわたしが監修・解説を担当したレイチェル・ボッツマンの『シェア』(NHK出版)は、その後日本でも台頭するシェアリング・エコノミーの教科書として、多くの起業家たちに読み継がれてきました。当時、講演を行うと必ず「日本でシェアリング・エコノミーは流行らない。日本人は他人のモノを使いたがらない」「そんなアイデアを喧伝すると、モノが売れなくなる。けしからん」という意見が必ず聞かれました。だいたい私よりも上の世代か、同世代です。
今から考えると嘘のような話ですが、2010年にはそれが現実でした。そんな『シェア』は2016年に新装版が刊行され、すでに古典となった感があります。そんなボッツマン氏の新刊が『TRUST』(日経BP)です。
今回、日経ビジネスONLINEにて、インタビューを受け『TRUST』の解読を行いました。水平分散化した信頼を礎としたシェアリング・エコノミーの課題、そして、企業と個人だけではなく、国家と個人における「信頼」の在り方について語りました。