なかなか更新がままならず、バタバタしております。近況やイベント報告はFacebookかTwitterで告知しております。本ブログについては、近日リニューアルを計画中です。さて、以下、2019年度に受けたブロックチェーンに関連する対談やインタビュー記事をまとまめます。
わたしがブロックチェーンに興味をもったのは、実はイーサリアムからで、Henning Diedrich氏の書籍『Etherum』に偶然出くわして、関連本を読み漁りました。その前にはビットコインにおけるビザンチン将軍問題や未解決問題だけを扱った書籍等には目を通す程度で、どっぷりとコミットしていた訳ではありません。
その後、再びビットコインへと遡り、そこで使われているアイデアや思想の多くが昔WIREDの頃に取り上げた多くの事柄から構成されていることに気づきました。ですので、自分はネットやパソコンにまで遡る理念(分散化)がブロックチェーンに回収されていくことを評して、「これでインターネットは完成する」というコピーをブロックチェーンに関する本に推薦文として寄せました(そのコピーは却下されましたが、いまも気に入っています)。
その本は、2016年に刊行されたウィリアム・ムーゲイヤーの書籍『ビジネスブロックチェーン』です。本書の序文はヴィタリックが寄稿していました。その後に、知人の紹介でドイツ鉄道などにブロックチェーンの実装コンサルを行うUntitleの創業者らと交流をもちました。仮想通貨について自分の考え方が変わったのは、イスラエルのBancore ProtocolのCEOを務めるGalia Benartzi氏の講演をTOAで見てからです。このインパクトは大きく、他にも、エストニアのFunderbeam創設者 Kaidi Ruusalepp氏の講演にも興奮を覚えました。
チューリッヒ、ツーク、香港、シンガポールにも飛び、頻繁に現地の起業家たちと情報交換を行いました。Hedera hashgraphのインキュベーションだけを行うHelix Acceleratorや現地ブロックチェーン系のハブとなって企業をつなぐコワーキングスペースのBit Worksには大いに触発されました。また、ローンチ前のベルリンのNeuFundと情報交換し、セキュリティトークン(彼らはエクイティトークンと呼称)の可能性を感じたのもこの頃です。実際にチューリッヒのクリプト系スタートアップの日本ローンチを支援しようと、元クレディスイスの銀行家だったCEOと討議を続けていました。残念ながらその企業自体が清算してしまい、プロジェクトは凍結。しかし、いろいろ法律面の違いや、どのように投資家を集めるかなど、そのサービスの裏側を知ることができ勉強になりました。
2017年、知人を介してイスラエル ブロックチェーン協会のアドバイザリーボードのオファーをもらいました。また、2018年4月、TezosのCo-FounderであるArther Breitman氏とPolkadotのFouder Peter Czaban氏を日本に招きました。そして彼らや国内の先駆者たちに日本企業を加えて、ビジネス・ブロックチェーンに関するイベントをTOA Word Tour : TOKYO 2018のプログラムとして開催しました。同年にはベルリンのFull Nodeにも視察で訪問し、分散型予測市場を展開するGnosisからレクチャーを受けました。
ずっと考えていたのは、ベルリンとロンドンにはビジネスパーソンとブロックチェーン業界をつなぐハブが存在していますが、日本にはないということです。そこでそのような啓蒙活動及び実際のプロジェクトをインキュベートする活動の必要性を痛感。2018年にインフォバーンにUnchainedt という社内組織を立ち上げました。Unchainedでは CollaboGate、「あたらしい経済」編集部と一緒にブロックチェーンの社会実装プログラムを行うなど、これまでに55社以上のインキュベーションを実施してきました。
わたしたちのメソッドは、ベルリンで開催されたWeb3 Summit2018でわたしがレクチャーを受けたブルックリンのPatara labによるデザイン思考のテンプレートをベースにしています。考案者のEngine氏から許諾をいただき、独自のメソッドとして下敷きにしながら何度もトライアルして、新規事業創出に適合できるように改良しました。
2018年、パナソニック・アプライアンス社のブロックチェーン家電のコンセプト立案を支援、SXSW2018で発表。2019年に広島県のクロステック・チャレンジで県下の企業に対するインキュベーションを実施。UnchaindeではCTOの松田幸一が中心となって、エンジニア向けの勉強会をほぼ毎月開催、Substrateなどのフレームワークを用いたメインチェーンの開発と研究を行っています。
以下は、わたしが受けた取材と識者との対談記事への紹介リンクです。
FINDERS編集部からの質問を受けて、ブロックチェーンの概観とそれがもつ可能性などについて話が始まります。「ブロックチェーン=仮想通貨」というイメージを抱いている方が多いからでしょうか。そして、その後、地方創生やトークンエコノミーの話題、最後は日本のイノベーションの問題点や分散化について話をしました。
→ FINDERS インタビュー(2019.07.19-07.19 公開)
日本IBM ブロックチェーン・ソリューションズ 事業部長の高田充康氏との対談記事。国際貿易のサプライチェーン「TradeLens」について、またHyperledger Fabricのパフォーマンスほか、話を聞いています。
→ IBM Think Business(2019.06 公開)
https://www.ibm.com/think/jp-ja/business/blockchain-dialogue
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