10年前、私がWIREDという雑誌の日本版を編集していたとき、本国の米WIREDではWebだけを運営するためのベンチャーを設立した。そこでは検索エンジンの第一世代ともいうべきInktomiを手がけたり、かの有名なHotWiredを世に送り出していた。
当時、経営者から「すごく面白い二人組みに投資をした」といって紹介されたのが、Suck.comだった。これが、ブログにも通じるウェブジーン(ウェブ雑誌)の原典となり、Suck.comのスタイルはあちこちで模倣され、現在のboingboingのように全米でも屈指のサイトとなった。
その後、すっかりSuck.comのことを忘れていたのだが、Waxy.orgによれば、12月末からつい最近までSuck.comは消滅し、ポルノサイトのポータルに取って代わっていたのだとか。Whoisで調べるとSuck.comのドメインを所有しているのはLycosだ。しかし、現在は再びSuck.comを入力すると元通りのSuck.comとなっている(すでに2000年より更新されていないけれど)。
聞くところによると、Suck.comの創設者Carl SteadmanとJoey Anuffは2000年にAutomatic-Mediaというベンチャーを立ち上げ、失敗したようだ。同社はCGUサイトとして有名なSlash.orgのCMSを手がけ、また同様のPalastic.comを立ち上げた。2000年7月にLycosが25%の株を取得しているが、それを報じたcnetの記事がある。Lycosがドメインを取得している理由も頷ける。
すでに閉鎖されたサイトのスクリーンショットまで公開されていて、なんとも悲哀を感じさせる。
先行者が必ずしも成功するわけではないが、私的にはとても感慨深い。合掌。
(source : Waxy.org / Workbench / gohstsites)
コメント