文芸評論の分野で活躍する仲俣暁生氏の新刊『<ことば>の仕事』に、取り上げられました。
インタビューは一年以上前に行われたのですが、仲俣氏とは昔からの知り合いでもあり(彼は日本版ワイアード創刊メンバーの一人)、また彼自身が取材の名手でもあるため、かなりベラベラと喋ってしまいました。これまでに受けたインタビューのなかでは、もっとも長いものだと思います。
最近は受けた取材の事実誤認や、その日本語の用いられ方に対し、このブログで補記しているので、かなり嫌なオヤジだと思われているかもしれません。しかし、私は別にクレーマーなのではありませんよ、本当に。
仲俣氏の仕事に不満はありません。
それどころか、ここ数年間に受けた取材のなかで出色のものでしょう。
仲俣氏は、これまで<ことば>が編まれていたフィールド(文学だとかサブカルだとか)が相互に侵食しあい、単純にジャンルごとから表出して<ことば>が紡がれているわけではないという仮説を立て、今回の取材を進めているように思えます。そのアプローチは、私にはとても興味深く思えます。
私という存在が同書の文脈のなかでどのような意味をもつのかはわかりませんが、ほかに取り上げられている山形浩生氏、水越伸氏、小熊英二氏ら、ほかの方々を含めてとても興味深い人選なので、ぜひ若い方、特にメディアを志されている方に一読してほしいと思います。
著者の仲俣氏や私と同世代の人々が登場していることが本書の特徴です。そこにどのような共通項、あるいは異質なものが見つかるのか、私も楽しみに本書を精読してみたいと思います。
あ、一点だけ補足があります(苦笑)。これは自分の伝え方が足りなかったせいだと思うので、著者の不備によるものではありません。
十七歳のとき、地元の高校を1日でやめ、「日本はつまらない」と感じて飛び出した。行き先はアメリカ合衆国。ロサンゼルスだった。
と本書には書かれていますが、実は私は高校を四つ辞めています。最初の高校は1年弱通っていたので、実際には、「地元の高校を二年の夏にやめ」、「飛び出した」のです。
でも、1日でやめた高校もあるため、このあたりが一緒になってしまったと思われます。
アメリカから帰国し、私は地元の夜間高校に入ります。しかし、そこを1日でやめ、東京に「飛び出し」ました。その後、東京都立日比谷高校二部の試験
を受けて、しばらく通いましたが半年くらいで除籍になりました。アメリカの高校も試験を受けて転入したのですが、半年未満で退学。
まあ、自慢にならないことなんでどうでもいいのですが(笑)、1日でやめて渡米したわけではないので、補記しておきます。
なんか、高校を四つヤメタ、っていうとそれだけで偉いような気がする。
投稿情報: nomad | 2006/05/12 00:40