Niche Media Lab : ニッチメディアラボ

解説（ハウツー）系ウェブメディアが熱い？

日本のオールアバウトの原型は、米国のAbout.comですが、それぞれ違った進化を見せています。

About.comはニューヨークタイムズが所有するウェブサービスです。日本と同様にさまざまな分野の解説を中心に、最近ではひとつづつのトピックがブログ化され、パーマリンク（固定リンク）をもちます。

日本未上陸ですが、ハウツー系ではほかにeHowといった老舗もあり、たとえば「奨学金をもらうにはどうしたらいいか？」から「クルマのブレーキパッド交換の方法」など、About.comよりもさらに具体的なハウツーが満載です。

そして、VideoJugですが、こちらはさらに一歩押し進めて、ハウツーを動画で解説。「ウィンザーノットの結び方」といったものから、「片手だけでブラのホックを2分以内に外す方法（男性向け？）」「情熱的なキスの仕方」まで盛りだくさんです。また、VideoJugの競合になりそうな5minも、その名のとおり５分以内で動画解説を行っています。

解説系からは少し外れるかもしれませんが、オライリーメディアが発行する雑誌MAKEの動画サイトでは、「スパイ映画に出てくる拳銃が隠された本の作り方」みたいなマニアックな工作技法や、ハイテクを用いた高度なものまでふんだんに紹介されていて、読み物としても飽きさせません。すでに日本版もあり、DIY系はニッチ向けにもその枝葉を伸ばしているような印象を受けます。

Yellowbookの新バイラルCM

私はかねてより、Yellowpage（電話帳）ビジネス、ひいてはローカルADネットワークが熱い、とあちこちで語っているが、老舗企業のYellowbookが新しいキャンペーンを開始したようだ（ちなみにAT&T傘下のYellowpages.comとは別企業）。

その名は、SayYellowToTheFutureという。
同名のサイトも用意し、CMの製作にハリウッドで活躍するヴァデム・パールマン監督（『砂と霧の家』）を起用。

この伝統的な電話帳会社がイメージを刷新させようとクロスメディア展開をしかけるにあたり、ニューヨークのPR会社GothamPRを起用。バイラルさせるにはもうひとひねり欲しい気もするが、どこかの国の電話帳に比べて貪欲に進化するその姿勢は、まさに“攻め”あるのみ。

SayYellowToTheFuture.com
YouTubeとのタイアップページ
Gotham PR

関連記事 : Yellowpages.comが動画広告を配信開始

YellowPages.comが動画広告を配信開始

ネット上の電話帳ポータルであり、AT&T傘下の米YellowPages.comが、新たに同サービスのスポンサーに対してビデオ広告出稿を可能にすると発表した模様。サービスには二種類あり、静的な写真を音声と組み合せてスライドショーとして再生可能な広告と、ビデオによるものとのこと。

これにより、AT&Tが買収したIngenioのPay Per Callサービスと同サービスが組み合わさることで、ネット動画広告を導線としてリアルな電話回線につなげることが可能だ。このニュースは地味なようだが、動画広告のマネタイズ例として面白い。

source : BtoB
YellowPages.com
IT Express ペイパーコールの仕組みを説明した記事

ビデオキャスト番組「//news」公開

先日、お伝えした製作中のビデオキャスト番組をようやくサーバに公開。

実はまだプレスリリース等流していませんが、今回アルファ版ということで、サーバ負荷から画像のエンコーディングほか、いろいろと調査目的でアップしています。

番組名は「//news」。読み方は、「すらすらニュース」です。
どうぞご笑覧ください。

//news（すらすらニュース）

オンラインビデオ番組を製作開始

このサイトでもお伝えしたように、一昨年、ニューヨークのSyndicate カンファレンスではじめてアマンダ・コンドンに出会い、彼女がキャスターを務めていたRocketboomの存在にかなりの衝撃を受けました。

その後、ロス郊外で開催されたイベント「Portable Media Expo 2006」でRocketboomプロデューサーのアンドリューが語った内容に発奮。

そして、マイクロソフトからPodtech.tvに移籍してScobleShowを続けるロバート・スコーブル氏との出会い。

一人でカメラを担いでうろうろしていた彼の姿を見て、まず始めることが大切だなあ、と感じたものです。

その間に、Wallstripやmobuzz.tvのような完成度の高いビデオキャスト番組も登場。

YouTube提訴のViacomが意見表明

Washingtonpost.comにYouTubeを著作権侵害で提訴したViacomのMichael Fricklas氏の「Our Case Against YouTube（われわれのYouTube裁判）」という題の記事が掲載されている。

Fricklas氏の主張のなかでも、DMCA（デジタル・ミレニアム著作権法）の原則である「サービス・プロバイダはコンテンツやファイルの中身を監視する責を負わない」（要約）がYouTubeに適用されるわけではない、というところが重要かと思われる。

つまり、YouTubeの価値とは、ファイルの安全なトランザクションを保証し、サービスを提供するISPのようなものではなく、そのコンテンツに惹かれて集まったトラフィックを換金し事業を運営しているため、コンテンツなのだ、と。

しかし、YouTubeはそのコンテンツの著作者に対し、正当な支払いをしていない。DMCAをYouTubeの問題に適用するのは違うんじゃないか、というわけだ。

ということで、これを読んで改めてYouTubeとは何か？ということを考えてしまった。YouTubeはテレビに近いものなのか、それともデータをストレージするサービスプロバイダなのか、そこを完全に区別するロジックが現出することで、もしかして数多のCGMもその存在を改めて問われるような気がする……。

Our Case Against YouTube : Washingtonpost.com

DMCA : Wikipedia

ポスト・ロケットブーム : Wallstrip

いま、わたしが注目しているvlog（動画ブログ）のひとつに「Wallstrip」がある。

これは、米国の株式情報番組だが、そのつくりがサブカルチャー的なので、株に興味がない人でも楽しく観ることができると思う。

高く買って、高く売る〜つまり、順張りをモットーとした（？）この「Wallstrip」は、自らファンドマネージャーも務めるHoward Lindzon氏がプロデュースしているスモール・プロジェクトだ。すでにvlogの分野では先駆であるロケットブーム（Rocketboom）に倣い、番組には女性キャスターを起用（美人である）。後発なだけあって、その構成はオンライン動画をよく研究していると思う。

Wallstrip

以下は私が好きな「Adobe」の紹介時。Flashを露出のFlashとひっかけたり、ワル乗りぶりが小気味よい。語っている内容と異なる語り口のマッシュアップが同番組の最大の魅力だろう。

アンチ・コマーシャルとYouTube

これまでネット動画による、ポジティブなバイラル発生について触れてきたけれど、実はその逆も起きてしまうことについて書いておこう。

昨年、発売されたシボレーの大型SUVタホはそのCMをパロディにした、強烈な批判ビデオがYouTube上で繁殖した。

私はこれをアンチ・コマーシャルと呼ぶけれど、とにかくガソリン価格の高騰と地球温暖化に伴って大型SUVにとって風当たりの強さが、タホという車種の狙い撃ちとなって吹き荒れたという感じだ。

新刊本のネット動画予告：ブックトレーラー

いまインターネット上の動画共有が話題だ。
たとえば、先日検索エンジン大手グーグルが買収した米ユーチューブなどが動画共有サイトとして世界的に有名である。

写真はハーパー・コリンズ・カナダのブックトレーラー（本の動画予告ムービー）。

日本版もあったFreehug（フリーハグ）キャンペーン

巷で話題のFreehug（フリーハグ）キャンペーンですが、私のオフィスの近所でも撮影されていました。

この非公式CMがすごい！@YouTube

名付けて勝手CM、もしくは勝手PRですね。
私もむかし、雑誌サイゾーで「勝手に会社案内」という企画をやったことがありますが、「勝手にCM製作連盟」というのをつくろうかと考えています（笑）。

テレビでは絶対放映されないので、それもまたバイラルを生む要因になっています。
かつて情報飢餓というマーケティング戦略がありましたが、テレビで放映されないがゆえ、こちらはメディア飢餓を引き起こし、検索させたり友人に知らせたりと、人々の口々にバズを誘発させるのでしょう。

以下、YouTubeで見つけたものの一部をアットランダムに列挙します。

ポッドキャストで成功するには？

前回に続いて、Podcast and Portable Media Expo 2006について解説したい。今回はポッドキャストでビジネスを行うための支援サービスなどについてフィーチャーしたい。

Portable Media Expo 06 : 記事レポート3

前のエントリーでアップしたビデオに付随して、説明を加えたい。

ロケットブームはなぜ生まれたか？

今回もっともだれもが話を聞きたがっていたと思われるのが、30日午前の基調講演に登場したRocketboom（ロケットブーム）の創始者でもあり、プロデューサーを務めるアンドリュー・M・ベイロン氏のスピーチである。わたしも彼のスピーチを心待ちにしていた一人である。それだけを聴きに来たといっても過言ではない。

結論からいうと、まさに疑問が氷解した印象である。

Portable Media Expo 06 : ビデオレポート2

現地では2日めを迎えたPodcast and Portable Media Expo 06。

前回のビデオレポートに続いて、第二弾をアップします。

ppmeshow2.movをダウンロード

記事については、また後日にアップ予定です。

Portable Media Expo 06 : 記事レポート2

前のエントリーから続けて、Podcast and Portable Media Expo 06のレポートをお届けしたい。

会場内で姿を見つけて声をかけたら、ビデオ撮影を快く承諾してくれたロバート・スコブル氏（1分32秒で登場）にもちょっと言及しておきたい。

かれは、マイクロソフトのPRを離れ、現在PodTech.networkに移籍した。その模様は、Rocketboomでも取り上げられたのでご存知の方も多いかもしれない。ちなみにPodTech.networkはGeek Entertainment TVを買収したばかりだ。

彼についてはその著作『ブログスフィア』が日本でも販売されているので、そちらの紹介ページに記載されたプロフを読んでいただければ話が早いかと思う。