いざ、自分が著者として本を出版すると、かつて発行人として経験したはずのことなのに、あの頃とはまた違った別の感覚が生じてきます。
発行人時代には、当然ながら売れ行きは気になり、またどういう営業展開をしていくのか、有力書店のPOSデータやアマゾンのランキングなどを横目に、営業担当者にああしてみたら、こうしてみたらと議論(「そんなことくらいはやってるよ」的な返答で、成す術もなく撃沈…)。
しかし、著者になってみると、多くの方から「ねえねえ、アマゾンのランキングが何位だよ」「どこそこの書店には入庫していないよ」とか教えていただき、プロ出版社の営業マンの報告より細かいじゃないか(笑。恐るべし、クラウド営業報告!
発行人時代には、どちらかといえばP/L(損益計算書)のほうが重要だったり、返本率がどのくらいになるのか、またどのタイミングで何部増刷を刷るのか等々にやきもきしていた記憶があります。
しかし、著者の立場で耳にするマーケット情報というのは、どちらかといえば、どこにももっていき場がなく、「ああ、そうなのか」「へえ、そりゃまた」「ほぉ、これはこれは」的な反応になってしまいがち。
それは冷静であるということではなく、むしろ情報が多いから散漫な気持ちになるわけで、だんだんハラハラしてくるんだよね(笑。最初は気にもしていなかったけれど、いまの時点でアマゾンで何位だろとか、ブックファーストには並んでいるんだろうかとか…これはまずいぞ(笑)。
一方で発注をいただいてから「書きます!」と言って、2年も引っ張ってしまった次作に取りかからねば…。すみません(←業務連絡)。
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