一眼レフとレンジファインダーの違いについては、ウィキペディアに譲るとして、驚異的な安値でゲットした愛機フォクトレンダー・ベッサLについて語ります。
ご存知のように世界最古のカメラメーカー・フォクトレンダーはすでに名ばかりで、実際には長野県中野市にあるコシナがその商標をもち、同名ブランドを冠したレンジファインダー機のベッサ・シリーズを10年に渡ってつくり続けています……
「カメラスタイル」という雑誌の対談で、自らライカ愛好者であるコシナの小林社長が「ボディはMシリーズ、レンズはLがいい」と語っていたのが印象に残っているのでした。実際、わたしも60年代のライツ・カナダ産ズミクロン(Mマウント)の魅力にハマり、さらにL39スクリューマウントまで遡りつつあるほど。
ライカの魅力については書ききれないし、多くの人が世紀をまたいで語っているため割愛するとして、とにかくL39スクリューマウントを活かすためのボディが必要となったわけです。
借り物の愛機M5にマウントアダプターをかませればいいのですが、いかんせん借り物ですから、これ以上愛着がわいたらもう大変。そこで、もっと安い値段でLマウントを使い倒したいと思い、半年以上も某店のショーウィンドーで放置されていた数千円もしないベッサLの中古を買いました。人気なさすぎ(涙。
もちろん、バルナック型ライカという選択肢もあったのでしょうけれど、とにかくお金をケチり、レンズに投資したいという気持ちがありました。
バルナック型ライカはいずれわたしもほしいです。それまではこの本を読んで思いを馳せたいと…。
ベッサL・インプレ
さて、ベッサL君ですがネット上では所有者以外の批評がちらほら散見されます。しかし、ライカの柔らかな感触の操作系と同じものを求めるなら、ライカを買えばいいのでは? 別物としてみた場合、なんの不満もありません。基本機能はしっかりしていて、とても素敵です。コシナさんの情熱が伝わってきますね。
パーツにはプラも使われていますが、思っていたほど質感は悪くなくホールドした感じもグー。Mシリーズよりひと回りも小さいため携行するにはいい感じです。旅先とかで使えますね。軍艦部が安っぽい感じは否めませんが、使ってみるとすぐになじむため気にならなくなりますよ。操作系の感触についてなにも期待していませんでしたが、意外にも作動は滑らかでレリーズしたときの音も悪くありません。これは嬉しい誤算でしたね。
秀逸なのは露出計。LEDでお知らせしてくれます。外見とは裏腹なハイテク振る舞い! ジャストの露出以外にアンダー気味、オーバー気味がわかるため、使うフィルムによって露出調整したいわたしには便利です。
さて、不人気の理由は、このベッサLにはファインダーがついていないからでしょう。
距離は目測です。レンジ・ノー・ファインダーといったところですか。この潔さがたまりません。目測については、よほどのことがない限りかなりの確率で合焦しますよ。むしろ、都市部での瞬撮には目測のほうがいいくらいです。インチ表示のレンズだと、計算が必要ですが慣れれば済む話。体で覚えちゃいましょう。
*後日談 : この頃は広角レンズをつけてパンフォーカスで撮影したくとも、広角をもっていなかったので、やや広角のズマロンを主に使用。だいたい無限遠中心にがんばっていました。近接ではだいたいの距離をインチに換算してレンズの距離計をあわせるというやり方です。
ある本を読んでいたら、インチを尺に換算して身体で測る方法が載っていましたが、この頃はまさにそんな感じ。ベッサL、やっぱりいいカメラです。いずれスーパーワイドヘリアーあたりを装着してみたい。
写真はベッサLにワルツのズームファインダーと90mmのエルマーを取り付けたところ。70年代のSF映画に出てきそう。兵器っぽいっ!
外付けファインダーは必須
フレーミングだけは詰めたかったので、とりあえずワルツという国産ブランドのものを、これまた安価にゲット。仔細は不明。
本当はこのベッサLはライカやツァイスなどがつくるファインダーを装着して楽しむために存在する趣味人のための機種だと思います。しかし、ライカのファインダーを買ったら……ボディやレンズよりも高くなるじゃんか!
ということで、測距用もフレーム用のファインダーももたないベッサにズームファインダーを取り付けたことで、なんか実にカメラっぽくなるのでした。
わたしが欲しい最新ベッサです。BESSA R3M。等倍ファインダーでマニュアル。かっくいい〜!
ちょっとお久しぶりです。
ベッサL・・僕は使い切れず飾ってます…トホ
2000年頃僕も一番はじめに手に入れたのがこれでした。その後ベッサRがでたのですが、ベッサTに惚れ込んで購入。
これでファインダーは外付けピントはピントであわせる。潔さに感銘し手にして半年あまりのM2を手放しバルナックに走った訳です。
今回のベッサLの記事にはたと立ち止まり自分を見つめ直したいと思いました。
投稿情報: 雅写 | 2009/05/12 22:09
> 雅写さん
どうもです。バルナックをお持ちならLは出番がなさそうですが、Lの場合、微妙にラクできる露出計付きというのがポイントでしょうね。
シャッター・チャージが半分のところで露出が測れるという、あの動作が好きです。私見ですが、そこにLのオリジナリティというか、扱う喜びがあるような気がしています。
ぜひまたLをかわいがってあげてください。
投稿情報: 小林 | 2009/05/13 13:15