……鶏卵紙プリントは、かつて湿式コロディオン法(ガラス湿版写真)のネガ焼きとして、もっとも普及していた方法とのこと。
その前に通っていたワークショップの写友Kdさんの実家にあった旧いガラス湿版写真を見せてもらったことがあるので、このあたり、頭のなかでスムーズに繋がりました。
わたしたちが見る明治時代とかの写真は、ほとんどこの鶏卵紙プリントでしょうね。本日、ワークショップで配られていたテキストによれば、日本では1863年(文久3年)に日本人が製法を米英から教わっているそうです。
さて、本日行ったワークフローは鶏卵紙(時間の都合ですでにスタッフらによって制作されたものが支給)に感光液を塗り、それを自然光で露光し、その後、定着と洗浄をしてプリントを作成するといったものです。
備忘録として、鶏卵紙作成のプロセスを自分の言葉でまとめてみます。
1)卵白紙をつくる(卵、食塩、精製水を紙に塗る)→乾燥
2)【ここから暗室作業】感光液(精製水、硫酸硝酸銀銀、食酢)を卵白紙に塗る→乾燥
3)上記までに作成した鶏卵紙にネガを圧着。つまりベタ焼きをつくる準備をして、ダークバックに入れる【ここまで暗室作業】
4)露光。講師の方は照度計を使っていましたが、快晴時の日陰でおよそ1時間30分〜2時間とのこと。
5)【再び暗室作業】ネガを洗浄(3分)→定着液に浸ける(5分)→【暗室終】洗浄(1分)→QW液で水浴
6)乾燥
さて、いわゆるネガの紙焼きと違うのは、現像液は用いずに水現像であることでしょうか。だから停止液も用いずに、そのまま定着に。これは現像ではなく、正確には像がすでに現れているので、さしずめ洗像といったところかもしれません。
そして、露光(=焼き付け)ですが、照度計のない我々は日向なら3分〜5分、日陰なら上記の時間といったように覚えておくしかありません。ちなみに、1000lux/1hrを基準としていました。ということは、毎分の[x]luxを割り出し、1000lux÷[x]lux/minだと露光時間が割り出せますね。
TIPSとして講師の方は、絶対的光量は変わらないのに、低照度で長時間焼いたほうがコントラストがつくとおっしゃっていました。
私見ですが、トーン(諧調)の再現性が良さそうだったのは後者でした。ただし、濃度は薄いです。前者はもっと濃度が上がるので、コントラストが強くなるのは前者ではないでしょうかね? これは別のワークショップでコントラストとトーンの言葉の違いについて教わったいたため、そう思ったわけです (間違っていたらごめんなさい)。
また、ネガの濃度を濃いめにしておいたほうがうまくいくそうです。
今回はシノゴのネガを使いましたが、自分でやるとなると、デジタルプリンターでネガを作成する必要がありそうです。あるいはバイテンから起こす?(入手困難そうですね)
ああ、また手間のかかるようなことを覚えてしまった(笑。ただ、個人でやるとすると、突破するための難関がいくつかありそうです。…それがまたたまらない魅力ですが。
硫酸銀じゃなくて,硝酸銀ですね>感光液
個人購入できれば,安く鶏卵紙プリントができると思うのですが.
実際にプリントしたものを今度見せてください!
投稿情報: hms | 2009/05/03 14:00
>hmsさん
間違えました。ご指摘のとおり硝酸銀です。
個人購入できるところを教えていただいたので、今度やりませんか?
プリントしたものは濡れた状態だったため、当日持ち帰れず、スタッフの方が乾燥してプレスしたものを後日に送付してくれるそうです。
投稿情報: 小林 | 2009/05/04 21:52
いいですね! ぜひ今度やりましょう.
精製水なら僕も大量に用意できます.
あとは,照度計を何とか露出計などで代用できないか
調べてみますね.
投稿情報: hms | 2009/05/04 23:48
> hmsさん
では、計画しましょうね。
照度計ですが、そこまで厳密じゃなくとも、だいたいなんとかなりそうです。見ているうちに、刻一刻と画が変化していくので。
ただ、コンタクトをつくるためのネガキャリア〜木枠とガラス〜が必要ですね。携行できるサイズで既存のものがあればいいのですが、ない場合には自作の必要が出てきます。
ダークバックは黒いゴミ袋でなんとかなりそうです。
投稿情報: 小林 | 2009/05/05 08:11