シグマのカメラが採用するCCDのFOVEON X3は通常のベイヤー配列のセンサーと違い、光をとりこむ際にRGBの三原色をほぼすべてキャッチします。ベイヤー配列の場合、色の情報はRB25%、G50%しか取り込まれず、あとは演算で処理するそうなので、そこがFOVEON X3との大きな差になります……
……SD14を中古で購入して、その威力に驚いたので、DP-1にまで手を出してしまいました。SD14は作品撮りに使用するとして、毎日の携行にはDP-1が最適(携行できるからと言って、撮影が至便とは限らない)。
このCCDに惚れているのなら、カメラ本体の使いづらさは腕と根性で手なずけるしかありません。ISOも200までが実用範囲なので夜は三脚必携。特にDP-1に至っては高速でシャッターを切らないと手ぶれ必至。AFも遅いし、銀塩機のようなスローシューティングぶりが素敵(→諦観)。
瞬間を捉えて撮影……といった芸当は正直言って困難です。また、画像データをすべてRAWで保存しておいたほうがいいでしょう。ホワイトバランスも信頼できないため、カメラに絵作りを任せてはいけません。暗室ならぬ、明室作業(ポスト・プロダクション)が必ず発生すると思ってよいでしょう。
それでも、このカメラには何かある、と思える人だけは手を出してみる価値はあります。でも、ポスト・プロダクションの煩雑さに嫌気がさして、使わなくなるか手放す可能性が高い気もします。
銀塩のようにデジを楽しみたい、あるいは銀塩派に負けないデジ作品を、という人には、レタッチソフトやカラーマネジメントも含めたワークフローを制御しなくてはならないので、やりがいは大きく、マニア心をくすぐると思います。好き者にはたまりません。
上の写真はM42のPKマウントアダプターで古いシュナイダーのクセノンをSD14に装着して撮影しました。さすがにマウント口径は同じでもフランジバックが違うので、後ピンになっています。とほほ…。
わたしは銀塩の中判機が好きですが、このシグマのSD14、DP-1は35mmやコンデジの形をしたブローニー機だと思っています(画質は中判並みかそれ以上)。使い勝手としてはブローニー並であり、小さいくせに小回りが効くカメラではないということを予め理解しておく必要があります。
シグマさんには、できればもっと撮像素子の大きなFOVEONも開発してほしいと淡い期待を寄せています。FOVEONのデジタル中判機が出たら、手持ちのカメラをすべて売り払ってでも買うでしょう。
自分もまだ完全にコツを掴んだとは言い難いFOVEON X3ですが、キチ○イに刃物ならぬ、コバニカにFOVEONといわれるくらい卸してみたい誘惑に駆られています。すでに作品撮りをSD14に切り替え始めました。光量の確保が前提となるので、SD14にあった機材を見直す必要がありそうです。
↓ DP-1の中古は値段もこなれています。新品なら数万円台から入手可能。↓
いやあ、ウェブで見てもすごいですね。
世界が虹色に見える。
投稿情報: yana | 2009/10/26 10:33
すみません、SD14のカタログにも書かれていますが、RAWそのものの絵は素っ気ないです。
あのカタログの作例と同じで、撮って出し画像ではないため、本当は作例と言えないかも…(汗。
投稿情報: 小林 | 2009/10/26 16:29
でも、ここまで3原色がぐんと前に出てくるってのが面白いです
投稿情報: yana | 2009/10/26 21:59