昨晩は、ショーン Kさんがナビゲーターを務めるJ-WAVEの「MAKE IT 21」と「PRIME FACTOR」に連続生出演させていただきました。21時から23時30分まで、さすがに喋り続けて頭がぼおっとしました。その後も25時まで喋り続けるショーンさんの番組を帰りの車のなかのラジオで聴きながら、彼のパワーに圧倒されました。
番組中、スティーブ・ジョブズを真似している上司に戸惑っているというリスナーからのお便りが紹介されました。上司の方の気持ちはわからないでもありませんが、ジョブズを真似することは、喩えればブルース・リーを真似するようなものです。「あちょ、あちょ、あちょー!」と無意味に空手チョップや蹴りを繰り出すようなものなので、周囲は迷惑です。即刻やめたほうがいいです。
釈迦亡き後、釈迦を目指す人が増えたのですが、釈迦が目指すべきものを目指しなさいというのが、釈迦の教えだったという逸話を本で読んだことがあります(どの偉人の死後にもこのことは当てはまりますが)。模倣するものがジョブズの理想や志ではなく、表層的なスタイルである時点で、ジョブズのアティチュードとは異なるでしょう。彼ならさしずめ「Sucks !」と言うかもしれません。
自身ができることや得意なことを鑑みて、彼の思想や優れた長所に想いを馳せるのはいいかもしれません。世界をいかにデザインするかということ、そこに絶対解はないですし、彼の洞察や直感、そして、彼の羊水ともいえる彼を育んだ当時の西海岸文化、そして特異な出世(幼い頃に養子に出された件)まではコピーできません。
生前ジョブズと交遊のあったオラクルのCEOラリー・エリソンが、ジョブズの真似をしたいなら孔雀でも飼ったらどうだ?とジョークを飛ばしていましたが、イノベーターなら、なりたい自分も自身の創造物のひとつでしょう。それが劣化コピーでは、いただけません。
さて、番組内でジョブズがもし生きていたら何を聞きたいかと番組から尋ねられました。そのときの回答とは異なりますが、あとで本当に尋ねてみたかったことを思い出しました。それは、ジョブズの半生において彼のメンターであった故・乙川(知野)弘文についてです。乙川氏の最後も壮絶でした。
Forbsが刊行した「Zen of Steve Jobs」というコミックに二人の関係が描かれています(日本語版は集英社インターナショナルより刊行)。形而上学的な内容なので、必ずしも理解が容易ではありませんが、ジョブズとゲイツ、あるいはほかの著名ビジネスエグゼクティブとの違いが浮き彫りとなる内容だと思います。
ジョブズの死後、さまざまな本が刊行されましたが、どうもビジネス一辺倒で彼を語る内容は、わたしにはしっくりきません。それこそこじつけな気がするわけです。わたしがもっとも読みたいテーマはこれです。「ジョブズと神秘主義」。
唯一彼がiPadにダウンロードしていたといわれた本が『あるヨギの自叙伝』だったり、「宇宙をへこます」といった発言……その発想の根っこと行動原理が数多の起業家とは Think Different どころか、Totally Different なのです。
上の写真は、放送終了後にショーンさんと当日の共演者であるグライダーアソシエイツ代表の町野 健さん(右端)と撮ったもので、お二人からは掲載の許諾をいただきました。町野さんによれば、アンテナのユーザー数が百数十万人を超えたとのこと。おめでとうございます。
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