「ハイパー・ディストラクション社会」の到来
2月26日に書店発売される『アテンション 注目で人を動かす7つの新戦略』(飛鳥新社)の解説を書きました。
本書は元『Mashable』のエディターだったベン・パーの著作で、原題『Captivology: The Science of Capturing People's Attention』の邦訳です。昨今、「アテンション・エコノミー」(注目経済)という言葉があるくらい、われわれの日常はあらゆる企業と個人らによる“注意喚起”の営みに溢れています。
ウェブやスマホの普及によって、かつてよりも注目を集めるコストは低くなりました。それにより、人々の耳目を集めようとする情報は、リアルタイムでわたしたちに向かって押し寄せてきます。そこでは、人々は常に誰かが放ったメッセージやコンテンツに“脊椎反射”してしまいがちです。わたしは、そんな社会を「超・注意散漫(ハイパー・ディストラクション)社会」と呼んでいます。
注目は十年前よりもさらに希少資源となっていますが、短命でもあります。常に勝者・敗者が浮沈を繰り返します。ゆえに、注意を喚起し続けることが、より他との差別化を際立たせるわけです。
では、一度注目してもらった後も、どのように注意を喚起し続けたら良いのでしょうか。無論、中身が伴ってこその注意喚起であることは言わずもがなですが。本書の著者は、注目には3つの段階があり、注目を集める方法は7つに集約されることを発見しました。