2009年に映像作品(写真文学とわたしは呼んでいる)を製作したときに使用したスチルは、自作のデジイチ・ピンホールで撮影したもの。自作といっても、ボディキャップに穴を開けただけ。輪郭をどう描くかは穴の径に依るので、このあたりは目指す作品世界との兼ね合いがあるから、いろいろと試すしかないだろう。
難しいといえば難しいけれど、簡単といえばチョー簡単……(笑)。問題は撮像素子に埃が付着しやすくなるので、慎重に扱う必要がある。わたしの場合、ボディを1台ダメにするつもりで挑んでみた……
……銀塩と違って、デジイチだとその場でライティングを変えて確認できるのがよい。このときは凝ったライティングを試みた。既成のエアレンズから始まって、王道のアルミ缶穴開けまで、いろいろと試してみた挙げ句、腕のよい電気工の友人に依頼して超極細のドリルで加工してもらったのが、今回紹介する作品を撮った「コバニカ・エアー・マーク2」だ。
エアーレンズの善し悪しは、加工精度がカギを握っている。ご存知かもしれないけれど、ピンホールはただ穴を開ければよいというものではなく、穴を貫通させた反対側に材質のギザギザが隆起してしまえば、光を遮断してしまう。また、ボディキャップの中心軸を出すのがこれまた難しい。そんな困難を経て(作業したのはもっぱら友人だが)、この「コバニカ・エアー・マーク2」というエアーな銘玉が生まれたのだ(笑。
実際の映像作品には裸体が含まれているので、ここでは出し惜しみしておく。この「コバニカ・エアー・マーク2」撮り下ろし作品のみで個展をやってみたい。
ピンホールに来てしまったようですね。
旅、気をつけてね。特にインド方面。
投稿情報: 海原 | 2010/06/05 01:18