ハッセルブラッド 500C/M, プラナー C 80mm f2.8
数年近くフィルムを使っていなかったので、最近ヨドバシカメラのフィルム売り場に行って、驚きました。
高い。年月をかけてつり上がっていったタバコの値段みたいだね。
以前の二倍近くしない? しかも、種類が少ない。数年前に買い占めて、冷凍保存しておけばよかった。などと考えながら、現像してスキャンする手間やコストを鑑みると、もうデジタルでいっか!と思ったり……
けれど、フィルムって何が撮れているのか、まったくわからないから好き。自分の場合、露出計のついていないカメラ使うことが多いから、カラーフィルムを使用したとに本当に仕上がりが想像つかない(笑)。モノクロって意外と仕上がりが読めるんだよね。
それからデジの解像感って、刺々しい。ギザギザしている。フィルムのような「ぬめり」感が足りない。人間の目ってさ、涙で湿っているから、視覚にもそんな「ぬめり」が必要なんだよ、きっと。
だから、苦労は多いけれど、まだまだフィルムで撮り続けたいと思う。フィルムって偶然に左右される天然エフェクターみたいなものだよね。たとえば、鍾乳洞にお弁当を放置しておいて、1年後どうなってるのか見に行くのに似ている。「えー、あれがこんなふうになったんだ」みたいな。
だから、飽きない。化学的変化と心理的変化の掛け合わせなので、解がない。同じ理由で、よい描写には解がない。収差を徹底的に取り除くことが、必ずしも良い描写とはならないから。スペックだけが共通言語って、偏差値や資産で人を評価するみたいで世知辛いね。
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